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【セルジオ越後】アイスランド戦はお祭りで“評価不能な試合”だったね。「相手が上手く見えてしまった」。それが問題だよ

【セルジオ越後】アイスランド戦はお祭りで“評価不能な試合”だったね。「相手が上手く見えてしまった」。それが問題だよ


 日本代表は5月31日、アイスランドに1-0で勝ち切り、ワールドカップ前の国際親善試合を勝利で終えた。ただ、この試合は結果や内容以上に“イベント色”の強い一戦だったね。

 吉田のセレモニーがあったり、特別な演出も用意された。また、森保監督は11人全員を交代させて、できるだけ多くの選手に出場機会を与えた。相手のアイスランドはワールドカップ出場国ではないし、純粋に強化試合として比較や評価するのは難しいよ。

 試合後には澤穂希さんも登場して、スタジアム全体がお祭りムードに包まれたね。終了間際に小川の決勝ゴールで勝ったけど、その結果が霞んでしまうほどのイベント感があったのも事実だ。

 一方で、試合内容には物足りなさも残った。だらだらとした流れのなかで、プレスもかからないし、相手にボールを回されてしまった。相手が上手く見えてしまったところが問題だったんじゃないかなと思う。もっとプレスをかけていれば、もっと得点も取れただろう。

 改めて言うが、この試合から個人や戦術を評価するのは難しい。両チームとも交代を繰り返し、試合の流れは断続的になった。こうした特殊な状況では、「誰が良かった」「この組み合わせが機能した」といった評価材料は多くない。

 このゲームで特に気になったのは、ワールドカップ本大会で導入されるルールが適用されたことだ。アイスランド側が十分に理解していなかったのか、一時的に10人でプレーする時間が生まれた。事前の共有不足とも受け取れる出来事で、少々後味の悪さも残したね。
 
 また、日本にとって大きな収穫は、暑さへの対応だったのではないか。会場は非常に蒸し暑く、選手たちは明らかにコンディション調整に苦しんでいた。本大会の開催地ではさらに厳しい環境が待ち受ける。事前キャンプ地のモンテレイ(メキシコ)も今回以上に熱いし、日本の武器であるプレッシングサッカーを90分間維持できるかは大きなテーマになるよ。

 今回は11人全員を交代できたため負荷を分散できたけど、本大会では交代枠に限りがある。今日の試合と同じ感覚で戦えるわけではない。むしろ、この試合から戦術的な課題を探すよりも、暑さへの適応という現実的なテーマを再認識できたことのほうが価値は大きい。

 ワールドカップ開幕まで残りわずか。日本代表はもうすぐ現地入りして、本格的な調整に入る。そして最大のポイントは初戦のオランダ戦だ。ここで結果を残せるかどうかが大会全体の流れを左右する。

 森保監督と選手たちは「優勝」を目標に掲げてきたよね。その言葉によって、国民の期待はかつてないほど高まっている。だからこそ、初戦を大切にして、流れを自分たちのものにしてほしい。

 コンディションを整え直して、あの暑さの中でもプレッシングサッカーを貫けるかどうか。本大会で日本の本当の力を証明してほしい。国民の期待に応えるためにも、今はしっかりとした準備をするしかない。

【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、80歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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