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停滞感を打破。効果的な縦パスで好機を演出。「伸び伸びやっていた」と盟友も太鼓判。瀬古歩夢のボランチ起用にメド【日本代表】

停滞感を打破。効果的な縦パスで好機を演出。「伸び伸びやっていた」と盟友も太鼓判。瀬古歩夢のボランチ起用にメド【日本代表】


 北中米ワールドカップ本番前最後の貴重な国際親善試合となった5月31日のアイスランド戦。この日は、吉田麻也(LAギャラクシー)の花道を飾る演出が序盤に盛り込まれたが、森保一監督は6月14日の初戦オランダ戦にスタメン起用しそうなメンバーをズラリと並べ、本番モードで戦った。

 そこで注目されたのがボランチ陣。今回は、2月の左足首手術から復帰したキャプテンの遠藤航(リバプール)と田中碧(リーズ)のコンビが先発。彼らは2021年夏の東京五輪でもコンビを組んでいたため、連係面は問題ないと見られた。が、遠藤もまだ違和感があるのか、探り探りのプレーが目立った。

 一方、田中は左サイドの中村敬斗(スタッド・ドゥ・ランス)、伊東純也(ゲンク)を献身的にサポートしていたものの、効果的なボールを出せない。上田綺世に鋭い縦パスを刺し、そこから伊東、堂安律(フランクフルト)、久保建英(レアル・ソシエダ)を経由して、中村のヘディングシュートにつながった83分のチャンスは1つ特筆すべきものがあったが、前半は組み立てがうまくいったとは言い切れないところがあった。

 2025年10月のブラジル戦、今年3月のイングランド戦でコンビを組んだ鎌田大地(クリスタル・パレス)・佐野海舟(マインツ)の不在が響いた、と見る向きも根強かった。
 
 その停滞感を打破したのが、後半から入った瀬古歩夢(ル・アーブル)である。本人は「ボランチでやるイメージはないですね」と戸惑い気味に話していたが、登場するや否や、縦パスの意識を前面に押し出したのだ。

「前半、試合を見ていて、奪った後の縦パスが全然入っていなかったと思ったので、そこは積極的に。(元ボランチでコーチの)長谷部(誠)さんからも前半に言われたので、そこは意識して試合に入りました」と、瀬古は頭をクリアにして攻撃の起点になろうとしていた。

 そこから日本のリズムが改善され、チャンスも増加していく。特に目を引いたのが、久保から横パスを受け、小川航基(NEC)に左足で通した63分のスルーパス。これは惜しくも得点にはつながらなかったが、「ゴールをお膳立てできる選手」であることを色濃く示したと言っていい。

 さらに、田中が下がった73分以降はアンカー的な役割を遂行。佐野がインサイドハーフに陣取って後藤啓介(シント=トロイデン)と横並びになり、小川と塩貝健人(ヴォルフスブルク)が2トップを形成するという超攻撃的な布陣を中盤の底から下支えしたのである。

「(アンカーは)やりやすかったです。チームでもアンカーをやることが多かったので。ファイヤーフォーメーションというか、自分があそこで左右を潰せることができれば、相手にもチャンスを与えない。良い手応えがありました」と本人も前向きに発言。最終的に小川の決勝弾で1-0で勝ち切れたことも含め、瀬古のボランチテストは成功だったのではないか。
 
「今日の瀬古選手は素晴らしかったと思います。普段、ル・アーブルの試合を見ている人は少ないと思いますけど、今季の彼の出来だったら、あれくらいのプレーはたぶん当たり前。足も伸びますし、ボールを狩り取れて、サイズもある。なおかつ前にパスも付けられますし、今日はすごく伸び伸びやっていたかなと。『良いオプション』以上の存在なんじゃないかなと思います」と、U-15代表時代からの盟友・久保も太鼓判を押したほどだ。

 確かに後半初めの時間帯は、シャドーの久保と中村、右ウイングバックの菅原由勢(ブレーメン)と、瀬古にとっては10年来の仲間が周囲を取り巻いていた分、阿吽の呼吸でプレーできたところがあったはず。それを差し引いても、戦力としてメドが立ったのは大きかった。

 遠藤の状態がまだ回復途上にあり、W杯本大会でのフル稼働が難しいと見られるなか、バトルに強いもう1人のボランチが加われば、試合ごとに組み合わせを使い分けながらタフなW杯を乗り切れそうだ。
 
 現状では鎌田・佐野の新鉄板コンビへの依存度が高いものの、彼らの負担を多少なりとも軽減できる存在が増えたのは朗報だ。

 ここから日本代表は事前合宿地のモンテレイへ向かい、5日間の調整。8日にベースキャンプ地のナッシュビルへ移動して本番を迎えることになる。限られた時間で少しでもボランチの組み合わせを確認し、連係面を引き上げていくことが重要だ。

 やはり勝てるチームは、ボランチが躍動することが絶対条件。今後は瀬古と鎌田、田中が組む形などにもチャレンジし、バリエーションを増やしていくことが肝要だろう。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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