4年目にして信頼関係ができてきた!
――ニシオカさんが「ひとり芝居」に参加するのは、今年で4回目です。“役者・佐田正樹”の魅力をどんなところに感じていますか?
ニシオカ そうですね。魅力は……あるなと思っています(笑)。
佐田 ククク……(笑)。
ニシオカ 4回目にして信頼関係ができてきたなと、私は勝手に思っているんですけど、どうですか?
佐田 そうですね。
ニシオカ 素直な方なので、やりやすいというか、わかりやすいんです。「あ、今日やる気ないな」とか(笑)。
佐田 ハハハ!(爆笑)
――そういうこともわかってしまうんですね(笑)。
佐田 「やる気ないな」じゃなくて、「疲れてるな」でしょう! 言い方!!
ニシオカ そんなこともわかるようになってきました。役者ってストイックな人が多いので、最初のころは私もストイックにやり過ぎて、いま思えば、佐田さんがかわいそうだったなと思います。最近は佐田さんのペースに合わせてやれるし、佐田さんも私のスパルタに対する心構えがあるから、ちゃんと準備してきてくれます。
――回を重ねるごとに、佐田さんの変化を感じることはありますか?
ニシオカ 最初のころは、ひとり芝居ゆえのセリフ量に苦労していて、とにかくセリフを丸暗記という感じで大変そうでした。でも最近は、先ほどストーリーを説明されていたように、内容をちゃんと捉えてからセリフを言ってくれているので、すごく「俳優になったな」と思います。

佐田 セリフを覚えるのは早くなりましたね。でも極端な話、セリフを覚えていなくても、ストーリーをちゃんとわかっていれば、ひとり芝居なので最後まで演じきれるんですよ。だけど、ここ(ストーリーを把握して)からは、演出家の脚本に恥をかかせないように、一言一句正確にセリフを覚えていく作業に入ります
ニシオカ わっ! そんなことまで。
ときにはぶつかりながら成長させてもらった
佐田 芝居って、よくしようと思うとキリがないんです。だけど、料理と同じであれこれ足し過ぎてもお腹いっぱいになるばかりでよくない。だから、何度も足し引きしながら、いちばんいいところでお客さんに出せるようにと思っています。
でも、最初のころは本当にそんな余裕はなかったんですよ。とにかく「セリフを覚えて出す」までしかできなかった。やっぱり芸人だから、舞台は生ものだし、日によって多少違ったっていいだろうと思っていたんです。「とにかく、セリフを覚えたんだからいいでしょ、稽古ってなんですか?」って。
だけど、いろいろな演出家の方とやらせてもらって、ときにはぶつかったりもしながら成長させてもらって、そういう経験があるから、いまは「もっとやろう」「もっとよくしよう」と思えるように変わりました。人の意見を取り入れられるようになりましたね。
役者さんがやる舞台と芸人がやる舞台は、やっぱりちょっと違うから、それがバランスよく出せる舞台ができるといいなって。
