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「昔は面白かったのに…」あのちゃんはなぜ『あのちゃんねる』降りたのか ファンが指摘していた番組の変化

「昔は面白かったのに…」あのちゃんはなぜ『あのちゃんねる』降りたのか ファンが指摘していた番組の変化

テレビはまだまだトガっている。心に“刺さった”番組を語るリレー連載「今週のトガりテレビ」。今回は、『あのちゃんねる』の終了をめぐる騒動から、テレビと出演者の信頼関係について考える。

「あのちゃんねる」突然の番組終了

テレビ朝日系バラエティ番組『あのちゃんねる』が、6月15日深夜の放送をもって終了することが5月28日に発表された。

きっかけは、5月18日深夜の放送回だった。番組内で、あのが「嫌いな芸能人」として鈴木紗理奈の名前を出したことが波紋を広げた。その後、テレビ朝日は番組スタッフの配慮不足を認め、「あくまでも番組上の企画・演出によるもの」であり、あのにとっても本意ではない状況を招いたと説明した。

その後、あの本人はSNSで番組降板の意向を表明。最終的に、番組終了が発表された。深夜でカルト的な人気を誇っていた番組の、まさかの終わり方だった。

『あのちゃんねる』は、あのが大ブレークする前の2020年10月から彼女をメインとして起用し、その存在の面白さをかなり早い段階からテレビを通して世の中に伝えてきた番組だった。

局内の若手プロデューサーが、攻めた番組を深夜帯で放送する「バラバラ大作戦」の一つとしてスタート。あのをただの「不思議ちゃん」として消費するのではなく、彼女の言動や感性をきちんと紹介して面白がる。

裏方が、あのという人間に大きな魅力を感じたからこそスタートした番組だったのだろう。そして、その魅力をテレビの枠という形で、見やすくパッケージングして、まだ、あのを深く知らない視聴者に届けてきた。

だからこそ、この終わり方はとても悲しい。

ブレーク前から彼女の魅力を見つけ、それを存分に伝えてきた番組が、最終的にその本人から「もう続けたくない」と言われる形で終わってしまったわけだ。

あのは今回、降板について以下のようにSNSで語っている。

「あのちゃんねるとは『この表現は嫌です』や『これはゲストの方が大変な思いするからやめてください』など、生意気にも番組を大切に思う気持ちから、自分の見解や意見を強く伝えたり、やり取りを重ねることがこれまで何度もありました。

それでも改善されず、自分にとっても不本意な状況が続いたことから、過去にも番組を降ろさせてください というところまで腹割って話させてもらっていました。
それから番組側は改善しますと言ってくれたので、もう少し続けようと様子を見て続けてきました。
でも、もう続けたくないので番組を降ります」

「今回のような質問や、暴露系の企画はゲストにも悪いし、僕もやりたくない、やらないでほしいと都度伝えてきましたが、改善される様子が無いので、これ以上はやれないとマネージャーに話していた矢先の今回の件でした」

どうすれば今回の事件を防げたのか

芸能人が番組を降板するというと、どこか特別な事件のように見える。だが、これは一般的な仕事の話でもありうる。

自分にとって負担の大きい仕事がある。その仕事を進める担当者とも信頼関係を築けない。さらに、その仕事を続けることで自分の名前やイメージに傷がつく可能性がある。そうなれば、その仕事から降りるという判断は、そこまで不自然なものではない。

では、今回の騒動はどうすれば防げたのか。

もっとも単純な方法は、放送前に該当箇所をあの本人や事務所に見せることだろう。そこで本人が「ここはカットしてほしい」「このまま放送されると困る」と伝えることができれば、今回のような形にはならなかった可能性がある。

名前を出された鈴木紗理奈側に、事前に説明するという方法もあっただろう。

だが、それを突き詰めていくと、テレビ番組は放送前にすべての出演者、事務所、さらには名前が出た関係者にまでチェックを回すべきなのか、という話になる。

それは現実的ではない。おそらく、番組も面白くなくなる。いちいち指摘に答えて直していれば、現場の負担はさらに激しくなり、番組を作ること自体が相当な困難になる。

雑誌のインタビューであれば、発言者に原稿確認を出すことは珍しくない。だが、テレビのバラエティは、収録された膨大な素材の中から、プロデューサーやディレクターが「ここが面白い」と判断した部分を選び、並べ、削り、テンポを作っていく。

すべてを放送前に事務所に審査されていれば、トガりは消える。テレビには、編集する側が責任を持って「これが面白い」と決める強さが必要なのだ。

ただしその方法は、出演者との信頼関係の上にしか成り立たない。

出演者は、収録で発した言葉がどのように切り取られ、どの文脈で放送されるのかをコントロールできない。だからこそ、出演者はスタッフを信じるしかない。信じたうえで、出演者はカメラの前で思い切ったことができる。

逆に言えば、その信頼が崩れた瞬間、テレビは成立しなくなる。

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