画面に並んだ、ありえない「前提」
次に届いたメッセージを読んで、私の中にあった期待は音もなく消えていきました。「結婚したら仕事は辞めてもらう前提だから、そこだけ確認させて」。会ったことも、まともに話したこともない相手から、私の仕事も、これからの人生も、もう決められていたのです。
本気で言っているのだろうかと、何度か読み返しました。けれど文面はどこまでも真剣で、冗談の気配はどこにもありません。私はもう一度その一文を読み返して、ゆっくりと返信を打ちました。「その前提、私の方には一つもないんです。お探しの方は、他にいると思います」。送信したあと、私は迷わずやり取りを終わらせ、相手をブロックしました。
そして...
アプリを閉じたあと、不思議と後悔はありませんでした。むしろ、会う前にあの人の考え方を知れて良かったとさえ思えたのです。期待していたぶん、がっかりした気持ちもあります。それでも、自分の仕事や人生を勝手に決められて黙っているような関係を選ばなくて良かった。そう思うと、気持ちがすっと軽くなりました。婚活はまた一から。けれど、相手に合わせて自分を小さくする必要なんてないと、あの一件がはっきり教えてくれました。次にいい出会いがあったら、今度はちゃんと対等に向き合える人がいい。そんなふうに、前を向いて思えています。
(30代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
