通称「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物問題「エトミデート」事件で揺れる広島カープが「危険水域」に入っている。
昨年12月に自宅で吸引使用した羽月隆太郎元選手は拘禁刑1年、執行猶予3年の実刑判決が確定。さらに自らTikTokで動画配信を行い、
「私を含め6人(の選手)が同じ人物から購入していた」
と爆弾発言をブチかましたのだ。
6月1日には自営業の滝口涼介容疑者が、羽月元選手にエトミデートを譲渡したとして、医薬品医療機器法違反(指定薬物授与)の疑いで再逮捕された。
「滝口容疑者は容疑を認めている。このままでは終わらないはずです」(一般紙社会部記者)
というのだから、前代未聞の状況だ。
「新井貴浩監督や球団フロントの責任は免れません。逮捕者が出た時点で『休養』や『辞任』になってもおかしくなかった」
多くの広島OBからも、そんな怒りの声があがっている。
広島の負のスパイラルは、球場にも表れた。本拠地マツダスタジアムの観客動員問題だ。そのスタンドを見渡すと、2014年に流行語大賞で年間トップテンに選出された「カープ女子」は完全に消えた。ウィークデーのナイターでは空席が目立つ試合が常態化したが、年間観客動員は2万8000人台を維持しており、激減はしていない。
「広島は年間指定席を一括購入するシステムを続けています。約8000席の枠がありますが、12年連続で完売しています」(広島担当記者)
チケットは持っているが「今のカープを見に行きたくない人」が増えているということであり、いわば観戦・応援ボイコットだ。
Jリーグ広島「ピーススタジアム」は大盛況なのに…
翻って2024年2月に開業したサッカーJリーグ広島の「ピーススタジアム」(総座席数2万8520)は大盛況。地元メディア関係者が言う。
「建設には全国のサッカーファンなどから、77億円もの寄付が集まりました。原爆ドームから徒歩10分。周囲で街ブラもできて公園もある。ほとんどの席に屋根があり、マツダスタジアムでは耐え難いここ数年の猛暑も、ピーススタジアムでは屋根があるおかげで、さほど感じません」
プロ野球界では、カープと同じく低迷にあえぐ中日ドラゴンズが、実数発表が始まった2005年以降で球団最多動員(1試合平均3万5012人)を更新。球場そばには大きなショッピングモールが隣接している。
カープの一番の問題は、とにかく勝てないことだ。薬物事件が尾を引く中、羽月元選手の爆弾発言や売人逮捕をヨソに進むセ・パ交流戦では、開幕からロッテとソフトバンク相手に6戦全敗。
それだけではない。2023年に就任して4季目の新井監督だが、この3季の成績は2位、4位、5位とダダ下がり。それでも球団から5年契約を確約されている4季目という現実も、勝てない要因のひとつである。
(小田龍司)

