2026年北中米ワールドカップは現地時間6月11日に開幕し、アメリカ、メキシコ、カナダという史上最多3か国による共同開催で、7月19日にニュージャージー州イーストラザフォードで決勝が行なわれる。出場国は48に増加し、全104試合が開催される。
過去最大の規模で展開されるこのスポーツ界最大のイベントについて、スポーツデータ分析メディア『Opta Analyst』が、スーパーコンピュータによる大会予測を発表。1万回にもおよぶシミュレーションで、出場48か国それぞれの優勝、決勝進出、準決勝進出、準々決勝進出の確率を算出し、ランク付けしている。
前回王者アルゼンチン、5度の優勝を誇るブラジル、欧州王者スペイン、2018年王者フランス、60年ぶりの優勝を狙うイングランドなどの強豪国が並ぶ中、同メディアは「今大会は最も予測が難しい大会になるかもしれない」と指摘している。
そして、最も優勝の可能性が高いとしたのはスペインだ。シミュレーションによって、優勝確率は16.1%。準々決勝進出は52.1%、準決勝進出は39.0%、決勝進出は25.6%と、いずれも極めて高い数字を記録。「48か国による巨大な大会では、どのチームも圧倒的な確率にはならない」としながらも、準々決勝進出が50%を超える唯一のチームであることを強調している。
その背景には、EURO2024を制した勢い、マンチェスター・シティMFロドリの復帰、ラミン・ヤマル、フェラン・トーレス、ミケル・オヤルサバル、ミケル・メリーノら戦力の充実があるという。ヤマルについては負傷からの回復状況に不安もあるが、今季クラブで公式戦41得点関与を記録した才能が、スペインを優勝候補筆頭に押し上げていると見られている。
2番手はフランスで、優勝確率は13.0%。直近2大会連続で決勝に駒を進めた強豪は、ノルウェー、セネガル、イラクと同居する難しいグループに入ったものの、「勝ち上がればさらに評価が高まる」と分析し、ディディエ・デシャン監督が大会後に退任予定であること、キリアン・エムバペにとって初めてキャプテンとして臨むW杯であることにも触れ、「今回も彼らが決勝に近づいているとしても驚きではない」と評した。
続く3番手はイングランド。優勝確率は11.2%で、準々決勝進出は47.7%と全体2位の評価を下している。トーマス・トゥヘル監督の下、予選では8戦全勝、8試合連続無失点という圧巻の成績を残しており、戦力面ではハリー・ケインがバイエルンで驚異的な得点力を示し、ジュード・ベリンガムやデクラン・ライスら逸材も揃っていることで、「2大会連続でEURO決勝に進みながら頂点に届かなかったイングランドが、60年ぶりの栄光を掴めるか」と期待を込めた記述となっている。
4番手はアルゼンチン。前回王者の優勝確率は10.4%とされ、オーストリア、アルジェリア、ヨルダンとの対戦となるグループJでは、「首位通過の可能性が高い」。同メディアは、「南北アメリカ大陸で開催された過去8大会のうち7大会を南米勢が制している」という事実を好材料に挙げる一方、「連覇は現代サッカーでは極めて大きな困難を伴う」とも指摘。その上で、「リオネル・メッシの再びの活躍が必要になる」と指摘した。 続く優勝候補では、ポルトガルの優勝確率が7.0%、ブラジルが6.6%、ドイツが5.1%。クリスチアーノ・ロナウドが6度目のW杯出場となるポルトガルには、「ネーションズリーグ優勝の勢いがある」。ブラジルは「カルロ・アンチェロッティ監督の下、ネイマール、ヴィニシウス・ジュニオール、ラフィーニャ、マテウス・クーニャらを擁し、24年ぶりの世界制覇を目指す」。そしてドイツは、「近年の大舞台で苦しんでいるが、準決勝進出20.2%、決勝進出10.6%と一定の評価を得ている」。
8位以下では、オランダが優勝確率3.6%、ノルウェーが3.5%、ベルギーが2.4%、コロンビアが2.1%、モロッコが1.9%。ノルウェーはアーリング・ハーランドとマルティン・ウーデゴーを擁し、欧州予選で37得点を挙げた攻撃力が注目されているという。モロッコは前回大会でアフリカ勢初の4強入りを果たしたチームで、今回も「本物の脅威」と評価されている。
開催国については、アメリカが優勝確率1.2%で18番手、メキシコが1.0%で20番手、カナダが0.5%で24番手となった。3か国とも「堅実な大会を送る可能性はある」としながら、「優勝には程遠い」との厳しい展望が示されたが、その中でメキシコは準々決勝進出確率が24.2%と比較的高く、開催国の中では勝ち上がりの可能性を持つという。
一方、日本は全体17番手の評価を受けている。優勝確率は1.2%、決勝進出確率は3.3%、準決勝進出確率は7.4%、準々決勝進出確率は17.0%。優勝候補の一角とまでは言えないものの、アメリカと同じ優勝確率で、セネガルやメキシコを上回る評価となった。ベスト8進出の可能性も一定程度示されており、アジア勢の中では上位評価を受けている。
ちなみに、アメリカの日刊紙『USA TODAY』も全48か国のパワーランキングを発表しているが、日本を15位にランクし、寸評では「負傷した三笘薫を欠くことになるが、予選でアジアのトップであることを示したチームには、なお多くの才能がある」とポジティブに評されており、大会の有力なダークホースのひとつと位置付けられているようである。
構成●THE DIGEST編集部
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