自転車は通学や買い物など、日常生活に欠かせない移動手段のひとつです。しかしその一方で、自転車盗難は今も身近な犯罪として多く発生しており、特に若い世代の被害が少なくないとされています。
こうした中、東京都葛飾区では、自転車盗難防止を呼びかける取り組みとして、共栄学園中学高等学校のボランティア部と連携した啓発キャンペーンを実施しました。今回の活動で印象的だったのは、行政や警察だけが呼びかけるのではなく、高校生たちが主体となって同世代へメッセージを届けたことです。
地域の課題に向き合いながら、自分たちの言葉や行動で周囲へ働きかける生徒たちの姿は、多くの人にとって身近な防犯について考えるきっかけになったのではないでしょうか。
本記事では、葛飾区と共栄学園中学高等学校が連携して行った自転車盗難防止キャンペーンの内容や、その背景にある課題、そして活動に参加した生徒たちの思いについて紹介します。
葛飾区で深刻化する自転車盗難 被害が最も多いのは10代

自転車は通学や買い物、友人との待ち合わせなど、日常生活のさまざまな場面で利用されています。特に学生にとっては、行動範囲を広げてくれる身近で便利な移動手段といえるでしょう。
その一方で、自転車盗難は今も多く発生している身近な犯罪のひとつです。葛飾区では、刑法犯全体の件数は減少傾向にあるものの、自転車盗難が占める割合は依然として高く、区内で発生する犯罪の約4割を占める状況が続いています。さらに年代別に見ると、自転車盗難の被害が最も多いのは10代です。
毎日の通学や部活動、習い事などで自転車を利用する機会が多い学生にとって、自転車盗難は決して他人事ではありません。被害に遭えば通学や日常生活に支障が出るだけでなく、新たな自転車の購入費用など経済的な負担も生まれます。
葛飾区ではこれまでも駅前や駐輪場、商業施設などで防犯啓発活動を行ってきました。しかし、被害の中心となっている若い世代へ、より直接的にメッセージを届ける方法が求められていました。そこで今回実施されたのが、学校と連携した自転車盗難防止キャンペーンです。自転車盗難という地域課題に対し、行政や警察だけでなく、学生たち自身が主体となって呼びかけを行う取り組みとして注目を集めました。
生徒から生徒へ 共栄学園ボランティア部が防犯啓発に挑戦

今回のキャンペーンが特徴的だったのは、行政や警察だけが呼びかけを行うのではなく、共栄学園中学高等学校のボランティア部に所属する生徒たちが中心となって参加したことです。活動には中高生約20人が参加し、葛飾区や亀有警察署と連携しながら、自転車盗難防止や安全利用を呼びかけました。
実施されたのは、生徒たちが日常を過ごす学校の中です。駅前や商業施設などで行われる一般的な啓発活動とは異なり、同じ学校に通う仲間へ向けてメッセージを届ける形となりました。顔見知りの友人や先輩・後輩へ直接声をかけられる環境は、学校ならではの大きな特徴だったといえるでしょう。
また、今回の活動は単に配布物を渡すだけの取り組みではありません。自転車盗難という地域の課題について、生徒たち自身が考え、行動する機会にもなりました。普段から地域活動やボランティアに取り組んでいる生徒たちが、防犯という身近なテーマに向き合ったことにも大きな意味があります。
特に自転車盗難は、大人よりも学生の方が身近に感じやすい問題です。実際に自転車通学をしている生徒も多く、友人や知人が被害に遭った経験を耳にしたことがある人も少なくありません。同世代だからこそ伝えられる言葉や説得力があり、それが今回の取り組みの大きな強みになったのではないでしょうか。
生徒たちが地域の課題に向き合い、自ら行動を起こした今回の活動は、防犯啓発にとどまらず、学校と地域との新たなつながりを感じさせる取り組みとなりました。
