「猫を手放さないでほしい」と打った理由
俺が黙っていたせいで、彼女に家族を諦める選択を強いてしまったかもしれない。すぐに追加でメッセージを打ち始めました。
「でも猫は手放さないでほしい。俺が薬を飲んで通うから」
迷ったのは次の一行でした。「3匹ともあの子たちは家族だろ。家族を切るのは違う」送信ボタンを押すまでに少し時間がかかりました。「本当にいいの?」と返ってきたメッセージに、「いいから」とだけ返しました。
半年間、あの子たちと彼女の関係を一番近くで見てきたのは俺です。引き取られた経緯も、夜中に膝に乗ってくる甘え方も、彼女が話してくれた一つひとつを覚えていました。
そして...
翌週末、空気清浄機を一台買って彼女の家に向かいました。自分の家にも一台、玄関には粘着ローラーを置きました。アレルギーは消えませんが、付き合い方を変えれば一緒にいられる。医師の言葉を、初めて自分のものとして受け止められた気がします。
彼女はペットの皮膚科医院でアレルギー対策を相談し、寝室と居間を分ける扉の見積もりを取ってくれていました。
半年隠していた俺と、半年気づかなかった彼女。お互いに引け目を抱えながら、それでも3匹を含めた暮らし方を考えていく。男前な解決策なんて立派なものではなく、ただ、好きな人と好きな猫を手放さない方法を探しただけです。
(30代男性・IT系会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
