小林可夢偉(Kids com Team KCMG)は、富士スピードウェイを舞台に行なわれるスーパーフォーミュラ第9戦・第10戦の初日フリー走行で、マシントラブルに見舞われた。これはセンサーの問題だったようで、マシンがピットに戻された後、当該のセンサーを交換して走行に復帰することができた。
ただマシンを一刻も早くピットに戻すために、ピットレーンを全力疾走するシーンもあった。
小林は10月9日にフランスのポール・リカールサーキットで行なわれたアップデート版のWECハイパーカー”トヨタGR010 Hybrid”のシェイクダウンテストに参加した。走行が終わるとすぐにニースの空港へと向かい、一路東京へ。10日早朝に羽田空港に着いた後、すぐに自分のクルマで富士スピードウェイに移動し、午前11時からのスーパーフォーミュラFP1に参加。その後、14時20分からFP2に臨んだ。常人だったら考えられないようなスケジュールである。
「僕この2日間、あんまり寝てないんですよ。僕らは耐久のテストをやっていて、夜には日本に行かなきゃいけないから、スケジュール詰め込まれて、結局僕が一番乗ってたと思います」
そう小林は語る。
「飛行機もなんかあまり寝られなくて……やっと眠れると思ったら、4〜5時間くらいしか寝られなくて、もうハイのまんまここに来ています」
そのテストしたアップデート版のGR010について小林は、「キャラクターの違いを感じた」と語り、さらに次のように続けた。
「僕らの弱い部分はよくなったんじゃないかと思います。これからホモロゲーション用の風洞に入れるんですが、どのパッケージでホモロゲーションをとるかという評価をしてきました」
「見た目は格好いいでしょ? デザインもよくなる。間違いなく歴史上もっとも格好いいですよ」
■トラブル修復のため奔走
そんな小林は、FP2でトラブルに見舞われた。アドバンコーナーを立ち上がったところで加速できなくなり、300Rのアウト側にマシンを止めることになったのだ。
「もう終わったなと思ったんですよ……なんか壊れたなと」
そう小林は言う。
「でもピットに戻ってきたら、『多分センサーのトラブルです。センサーを交換したら走れます』と言われたんです。走れないと、明日の予選がぶっつけ本番になっちゃうから、不安じゃないですか。だからマシンをピットに戻して、センサーを交換して走ろうということになりました」
小林のマシンはピットレーンの入り口付近までトラックで運ばれてきて、それをメカニックたちが受け取りにいった。しかし一向にガレージに戻る気配が見えない。それをみた小林は、ピットレーンを走ってマシンのところまでいき、一刻も早くガレージにマシンを戻すよう促した。
「無線でメカニックたちに『早くマシンを戻して』と言ったんです。でも、ずっと止まったままなんですよ。だからイラッとして、迎えにいったんです」
「他のクルマが入ってくる後ろを見るんじゃなくて、前を見ろ! と。とにかく前だけ見て、押せって言いました」
小林は急いでヘルメットを被り直し、コクピットに飛び込んだ。チームコーディネーダー兼リザーブドライバーの関口雄飛も、それを徹底的にサポート。その結果、コースに戻ることが叶い、トラブルが修復できたことをチェックすることもできた。
「必死にマシンを戻すことができたから、2周走ることができました。センサートラブルだということも確認できたので、これで明日は走ることだけに集中できます」
慌ただしい数日、そして慌ただしいFP2を過ごした小林可夢偉。平穏な土日を過ごすことができるだろうか? まずは願わくは、今晩ぐっすりと眠れるようにということだ。

