
「少し疑心暗鬼になっていた」日本代表を包んだ不安と憶測…吉田麻也が見せた“元主将の価値”
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W杯メンバー発表直後からそうした批判が渦巻くなか、事前キャンプ地のモンテレイではアイスランド戦(5月31日)で途中交代した遠藤航が4日連続で全体練習を欠席した。
こうした状況を振り返り、識者の河治良幸氏は「疑心暗鬼になっていた」と言う。
「遠藤選手の4日連続での欠席について、もしかしたらチーム内では回復を確認して、14日のオランダ戦に向けて逆算してやっているかもしれません。でも、我々メディアでさえそこも分からなかった。じゃあ、ファン・サポーターの気持ちを考えれば不安でしかない。少し疑心暗鬼みたいになっていましたよね。
メンバー選考で誰々が入っていないとか、それも相まって不安が膨らんだ。アイスランド戦から遠藤選手が良い感じに復調していれば世間的な注目も大きくならなかったはずですが、実際は疑念や不安が一気に噴き出してしまった」
SNS時代において、選手たちがいくら「集中しています」と言っても雑音は聞こえてくる。シャットアウトが難しい環境下で重要な役割を果たしたのが、“サポートメンバー”として日本代表に再合流した吉田麻也だった。
「遠藤の代わりに吉田がメンバー入りか!?」的なニュースをキャッチした吉田は再合流初日の6月5日、「ちなみに僕が来たのは航の代わりじゃないですよ。いろんなところで見ますけど。そんなわけないじゃん、普通に考えて、これおかしいでしょ(笑)。どう考えても。航がダメで俺が入るわけないじゃんって」とコメントした。
笑いも交えて伝えた点が、河治氏によれば「絶妙」。ピリピリしないムードの中でメディアが欲しい情報を与える。同氏は「メディアやファンが抱いていた疑問を、吉田らしい言葉で自然に解消してくれた」。このように“火消し役”としていきなり存在感を示した時点で、「吉田選手の再合流はプラスでしかない」(河治氏)。
遠藤については森保一監督が「オランダ戦に間に合う」と話しているものの、ナッシュビルで全体練習そ全てこなせるかは6月7日時点で不透明。さらにメンバー選考を巡る議論も収まらない。そんな日本代表において、吉田麻也は再合流早々その価値を示した。
経験豊富な元キャプテンの言葉は、チームを包む不安や憶測を和らげる効果をもたらした。ワールドカップのような短期決戦では、ピッチ上の力だけでなく、チームの空気を整える存在も欠かせない。河治氏が「プラスでしかない」と語る理由は、まさにそこにある。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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