酒飲みには大きく分けて2種類いると思う。
ひとつは、料理に合わせてお酒を楽しむタイプ。料理を引き立てるために日本酒を選んだり、肉料理にワインを合わせたりする人たちだ。そしてもうひとつは、なんでもいいからとにかく酒を飲みたいタイプである。
かくいう私は後者だ。
もちろん料理も好きだが、「今日は何を食べるか」よりも「今日は何杯飲めるか」のほうが先に頭に浮かぶ。結果として酒代は毎回なかなかの額になる。
そんな私のもとに読者からこんなリクエストが届いた。
「飲めば飲むほど安くなる居酒屋「併呑(へいどん)」が渋谷にオープンしたので行って無双してきてください」
そんなん行かない理由が見当たらない。ということで今回の戦場は、「併呑」だ! いってみよう‼︎
・併呑とは
「併呑」は名古屋市中区錦にある煮物居酒屋「にもの」を運営する「株式会社武」の系列店。「呑めば呑むほど安く酔える」をコンセプトに掲げている。
現在は名古屋、中目黒、そして今回訪れた渋谷の3店舗を展開。1号店の名古屋に続き、中目黒店も2024年10月のオープン以来かなりの人気らしく、予約なしではなかなか入れないそうだ。
店内は打ちっぱなしの天井が印象的なシンプル空間。程よくオシャレで、いかにも最近の若者が好きそうな雰囲気である。
そして訪れたのは土曜日の夜。案の定、店内は若者たちで大賑わいだった。見渡す限りグループ客やカップルばかりで、ひとり客は私だけである。
余談だが、実はこの店、以前から気になっており、リクエストをもらう前に知人と飲みに来たことがある。つまり完全な初見ではない。
とはいえ、複数人で飲むのとひとり飲みでは話が別だ。果たしてこの店で、快適なひとり飲みは成立するのか。改めて検証してみよう。
・呑めば呑むほど安く酔える
さて、本題の「併呑システム」である。対象ドリンクを注文すると、
1杯目 税込550円
2杯目 税込385円
3杯目 税込275円
4杯目以降 税込165円
という価格設定になっている。
4杯目以降は165円という破格の値段。確かにこれなら「呑めば呑むほど安く酔える」というコンセプトにも納得だ。
とはいえ、このシステムにはひとつ注意点がある。対象になるのは印が付いたドリンクのみ。ビール、日本酒、ワイン、カクテル類などは対象外となっているようだ。
また、注文はモバイルオーダー方式だったが、対象ドリンクはしっかり分かるようになっており迷うことはなかった。
本来なら「とりあえず生!」と言いたいところだが、今回はシステムを最大限活用するため「ハイボール」からスタート。
それでは、本日も乾杯〜!
うん、最高‼︎
やはりいつ飲んでも1杯目は染みる。毎回同じ感想になってしまうが、事実なので仕方ない。
おつまみもかなり充実しており、いかにも居酒屋らしいラインナップが揃っている。
今回は「煮もの三大名物」として推されていた「牛すき煮(税込748円)」を注文した。
そして1杯目をあっという間に飲み干したところで、「牛すき煮」が到着したので、すかさず2杯目のハイボールを追加する。
牛すき煮は卵黄が別添えになっており、見た目もなかなか豪華だ。甘辛い味付けは濃すぎず薄すぎず絶妙で、酒との相性も良い。
2杯目もサクッと飲み干し、3杯目は「紅茶ハイ」をチョイス。
さらに「わさびふりかけポテサラ(税込418円)」も注文した。
この商品、ポテサラの上に卵が乗っており、わさびふりかけをかけて混ぜるスタイルなのだが……
皿が小せえ!
案の定、ふりかけを振るたびに周囲へ飛散した。これ、こぼさずに完成させられる人いるのだろうか。
飛び散った分を掃除してからいただくと、味はポテサラのまろやかさにわさびの香りが加わってなかなか良かった。
そして気付けば3杯目も空になり、とうとう4杯目以降のボーナスステージへ突入。値段を気にせず注文できるのが実にありがたい。
こうなると酒は止まらない。
「コーン茶ハイ」、「アロエおろしサワー」、「徳島酢橘サワー」、「JK(茉莉花紅茶)」、「だいやめソーダ」……。
完全にエンジンがかかり、気付けばどんどんグラスが空いていく。
「まあ165円だしな……」の思考になるので、非常に恐ろしいシステムである。
ここでつまみが足りなくなり、「アジフライタルタル(税込220円)」も追加。
220円という価格から正直そこまで期待していなかったのだが、衣はサクサクで身もしっかりしている。
飛び抜けて感動するわけではないが、値段を考えれば十分満足できる内容だった。
そして締めには「ホームランバー(税込110円)」。
なんとも懐かしい。子供の頃に食べた記憶が一気によみがえる。酒を散々飲んだあとに食べるホームランバーは、妙に背徳感があって良かった。
そんなこんなで、今回も大満足でひとり飲みは幕を閉じた。
