妻のために選んだはずが
最近の妻は、仕事も家のことも頑張っていて、少し疲れているように見えていました。だから何か喜ぶものを買って帰りたくて、「ケーキ買って帰るね。何がいい?」とメッセージを送ったのです。
返ってきたのは「あのお店のチーズケーキがいいな」でした。
よし、それなら行こうと、僕は帰り道にそのお店へ向かいました。妻の笑顔を思い浮かべながら、足取りは軽かったのを覚えています。
行列の先で見つけたもの
お店に着くと、ショーケースの前は人だかりでした。お目当てのチーズケーキはちゃんとあります。
けれどその隣で、色とりどりのフルーツをのせた、季節のショートケーキがどんどん売れていくのが見えました。SNSで話題なのか、購入していく人が次々と現れます。
僕が気づいたときには、ショートケーキは残り一個でした。みずみずしいフルーツが詰まっていて、見るからに華やかです。
これだけ売れているのだから間違いない、妻もきっとこういうおしゃれなものが好きなはずだ。そう思い込んだ僕は、最後の一個を迷わず手に取りました。
