
U-17アジア杯落選の悔しさをバネに。昌平の“注目2年生FW”立野京弥が総体予選準決勝で成長の跡を示す2ゴール
U-17日本代表には継続して招集されてきた。しかしーー。5月初旬から下旬にかけて開催されたU-17アジアカップはメンバー外。怪我をしたわけでもなく、シンプルに実力不足と判断されてメンバーから漏れた。あの悔しさは今も胸にある。昌平のFW立野京弥(2年)は、今秋のU-17ワールドカップ出場を目ざし、インターハイ予選準決勝で成長の跡を示すゴールを決めた。
6月10日に行なわれたインターハイ予選の埼玉県準決勝。県大会3連覇、そして2年ぶりの全国インターハイ優勝を目ざす昌平は正智深谷と対戦。9分に右サイドを破られて失点したものの、即座に取り返す。その大仕事をやってのけたのが立野だった。
失点した直後のキックオフから一気に攻め込むと、FW島田大雅(3年)が左サイドで粘ってゴール前にラストパスを送る。相手DFに当たってこぼれたボールに反応した立野は、迷わずダイレクトで左足を振った。「決められてからの最初チャンス。自分が落ち着いて決められたので良かった」と、冷静にゴールへ打ち込んで即座に同点に追い付いた。
だが、これで終わらない。ゴールネットからすぐにボールを拾ってセンターサークルに戻った立野は、貪欲にゴールを目ざすと、再び決定機をものにする。うまく相手DFの背後に抜け出すと、再び同じような角度から右足で決めて、同点弾から1分も立たないうちに逆転した。
その後は相手のブロックを崩せなかったが、うまくゲームを運んで前半は2−1で終了。後半は運動量が落ちた影響で前に出るシーンが減ったものの、粘り強く戦って1点を追加。最終盤に失点して1点差に詰め寄られたが、しっかりと逃げ切った。
全国大会まであと1勝。3年連続のインターハイ出場に王手をかけるなかで、立野は意欲を示す。チームのためにという想いが当然あるのだが、もう一つがU-17W杯出場に向けてアピールの場にしたいからだ。
今年2月に広島で開催されたバルコムカップを最後に代表から離れており、W杯の最終予選を兼ねたアジアカップに呼ばれなかったのも、自分の中で整理はついている。メンバーを見た時の感想も「やっぱりか…」という感情が先に出たと言い、「自分の力のなさ。その部分では納得しているので、ワールドカップに向けて自分をもっと磨かないといけない」と気持ちを新たにした。
だからこそ、課題から目を背けるわけにはいかなかった。特に苦手だったポストワークは安定をさせるべく、フィジカルの強化に着手。実家から通っている立野は、母親の協力を得て食事内容と量を見直し、筋力トレーニングも昌平のトレーナーとともにより力を入れて取り組んだ。
体重はこの3か月で4キロアップ。尻周りの筋力がついたことでポストワークだけではなく、シュートの体勢が崩されてもしっかり打ち切れるようになった。そうした取り組みが今日の2ゴールに表れており、腰を入れてしっかり回転させて打ったシュートも筋力強化の恩恵だろう。
次こそは日の丸を背負って世界の舞台へ。覚悟を決めたストライカーだが、まだ全国大会出場が決まったわけではない。13日に行なわれる西武台との決勝でもゴールを決め、チームを全国大会へ導けるか。U-17日本代表の小野信義監督にアピールするべく、決勝も貪欲にゴールを狙って、“立野ここにあり”を示してみせる。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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