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舞台「キングダムII ―継承―」三浦宏規・高野洸・山本千尋・山口祐一郎、「死力を尽くさなければいけない」作品に再び挑む【インタビュー】

舞台「キングダムII ―継承―」三浦宏規・高野洸・山本千尋・山口祐一郎、「死力を尽くさなければいけない」作品に再び挑む【インタビュー】

 累計発行部数1億2000万部を突破した、原泰久による大ヒット漫画を原作とした舞台の第2弾となる「キングダムII ―継承―」が、8月9日から上演される。本作は、苛烈な戦乱の中にある中国・春秋戦国時代を舞台に、戦災孤児の少年・信と、のちの始皇帝となる若き秦王・嬴政(えいせい)が、時代の荒波にのまれながらも、友との約束、そして己の夢のために、史上初の中華統一を目指す姿を描く。今回は、中華に名を轟かせる、秦国の大将軍・王騎が、戦いの中で壮絶な最期を遂げるエピソードが描かれる。信役は、初演に引き続き三浦宏規と高野洸がダブルキャストで務め、王騎役は山口祐一郎が続投。さらに、剣術を極めた暗殺一族の末裔・羌瘣(きょうかい)を舞台シリーズ初参加となる山本千尋が務める。三浦、高野、山本、山口に本作への思いを聞いた。

-三浦さんと高野さんは、この作品の初演で、主演として初めて帝国劇場に立ちました。そうした経験から得たものや感じたことを教えてください。

三浦 取材でもよくそう言っていただくことは多いのですが、個人的には主演や0番(センター)という言葉はあまり好きな言葉ではないんですよ。自分でつかみ取ったものではないし、この「キングダム」という世界の中で信がただそこにいただけなので、どちらかというと意識しないようにしていました。偉大な方たちが立ってきた場所なので、自分は本当の意味で足を踏み入れることができたのかというと、どうなんだろうとずっと考えていて。ただ、さまざまなプレッシャーがある中で経験できたことで、少しは強くなれたのかなと思います。

高野 僕は主演というだけでなく、帝国劇場に立たせてもらうこと自体が初めてだったので、やっぱり空気が違うなと思いました。「自分との戦い」だった作品で、すごく大変なことも多かったですが、信というキャラクター、帝国劇場、そしていろいろな方に力をもらいながら駆け抜けることができたと感じています。すごくありがたい、ぜいたくな時間だったなと今でも思い出し、力をもらっています。

-山本さんは本作の舞台には初参加となります。羌瘣役で出演が決まったときの心境はいかがでしたか。

山本 役はご縁でいただけるものなので、今、私に羌瘣を演じてほしいと言ってくださる方がいるのであれば、そこに全力で向き合いたいと思いましたし、お役をいただいたからには、違う人が演じている姿は見たくないという負けず嫌いな思いもあり、今回引き受けさせていただきました。初演の映像も拝見しましたが、この方たちと一緒にすてきな「キングダム」が作りたいと思い、今は迷いなくやり切るぞという気持ちです。

-山口さんは、初演で新たな世代と共演し、今、どんなことを感じていますか。

山口 (本作の)製作発表を経て、皆さんのコメントが段々とより内面に近いものになっているのを見て、なるほど、タイミングと時間でこんなにも変わるものなのだなと感じています。今、こんなにも素晴らしい青空の中、劇場の入り口でみんなで会見・取材の時間を過ごすことができた。普段は、こうした劇場のエントランスで取材をするということはありません。それにも関わらず、今回は取材を行っている。これは、いったいどういうことなのだろうと、皆さん思っておられると思います。今回の「継承」と、いったいどうやってつながるのか。きっと楽しいと思います。

-それぞれが演じるキャラクターの魅力を教えてください。

三浦 信は、生まれ持った特別な才があるわけではなく、「自分はこの一本で前進していくんだ」と決めて突き進んでいく性格が、主人公にぴったりです。彼を通して物語を見るととても入り込みやすい。それは、特別な人間ではないからこそだと思います。特別過ぎないからこそ、愛らしさがあるのだと僕は思っています。

高野 確かに特別じゃないからこそ、自分の信念を貫いて成功していく姿がかっこいいのだと思います。背中で語るところもあれば、親近感を感じる瞬間もたくさんあって。本能で動く人物でもあるので、「彼についていけばいいんだ」と思わせてくれました。どんどん仲間が増えていき、頂上を目指して駆け上がっていく姿を見ると、応援したくなる人だなと心から思います。

山本 私は幼少期から中国武術をしてきたので、羌瘣はその集大成を見せられる役だなと思っています。「キングダム」で描かれる世界では、戦場で女の子が戦うというのは、とても不思議なことなのだと思います。でも、だからこそ彼女からもらえる勇気もたくさんあります。羌瘣だからこそ見せられる強さや優しさを表現していきたいです。羌瘣はアクションによって伝えられるものがあると思っています。

山口 この物語の舞台は、2200年前なので、今、私たちがいるこの東京とは違う世界のように見えますが、人間の存在は全く変わっていない。その中で、それぞれの組織、人間関係の中に、「こういう人がいたらいいな。こういう先輩がいたらいいな」と思うような人物が組み込まれています。だからこそ2200年前の題材が現代を生きる皆さまに力を与えていて、映画でも舞台でも温かく迎えられているのだと思っています。

-皆さんにとってこの「キングダム」という作品はどういった存在ですか。

三浦 死力を尽くさなければいけなかった作品です。もちろん、どの作品も死力を尽くそうと思っていますし、自分の持てるものを全て出さなくてはいけないと思って臨んでいますが、この舞台「キングダム」は、信が死にかけるくらいボロボロにならないと面白くない作品なのだと、台本をいただいたときに感じました。実際にボロボロになって大変なご迷惑をおかけしたこともありました。でも、そのときに、周りの人にどれだけ助けられているのかも実感しました。座長は、引っ張っていかなくてはいけない立場だと重々分かっていますが、正直なところ、ボロボロになっているときに「みんなを引っ張っていこう」なんて無理なんです。それよりも、いかに周りの人を輝かせることができるか、士気を高められるか。そして、周りの方たちをどれだけ信頼できるかなのだと、迷惑をかけながら感じました。

高野 同じ思いです。僕はこれまでも、演じた役を通して人生に影響を受けてきましたが、信というキャラクターは特にそうでした。最後までやり切るのは本当に大変でしたが、信にたくさん背中を押してもらいました。初演を終えた後も、何かにぶつかったときには「もし、信だったら、ここでどうする?」と考えるようになった。今でも背中を押してくれる存在なので、また新しい物語で信の世界に入れることを、とてもうれしく思います。

山本 中国武術を扱う役として羌瘣は、後にも先にもいないかもしれないと思うくらい、自分と思いが重なるキャラクターではあります。10周年の特別動画、そして映画に出演させていただいたことが、今回の舞台につながるのではないかと思います。今、三浦さんが主演についての思いを語ってくださいましたが、主演を輝かせることがわれわれの喜びでもあると思うので、「ついていくぞ」という思いと、「0番で輝いてほしい」という思いを持って、一緒に戦えればと思っております。

-これまで数々の作品に出演し、活躍されてきた山口さんから見て、この「キングダム」が新しいなと思ったところはありますか。

山口 21世紀に入ってミュージカルが盛んになってきて、それが、現代社会の人たちが求めている表現方法の一つなのだろうと受け止めておりました。ですが、この作品にはミュージカルの要素は一切ないと聞いたときに、「できますか?」と思いました。きっと同じ思いを持たれた方もたくさんいらっしゃったのではないでしょうか。そうした中での初演でしたが、三浦さん、高野さんという、高い身体能力を持ち、それを表現するだけのトレーニングを積み、なおかつ懸命にリミッターを超えて挑んでいこうとする方がいらっしゃった。それは、自分の認識を変える大きな出来事でした。この二人がいたからこそ、この作品が完成したのだと思います。2023年までは、コロナで大きなダメージを受けてきました。初演では、その決定的なダメージを乗り越えて、なおかつ全公演をこの二人で支え合いながら走り切りました。そして、2026年に再びこうしてそろいました。それを私は間近で見ることができる。こんな幸せなことはないと思っております。
(取材・文・写真/嶋田真己)

 舞台「キングダムII ―継承―」は、8月9日(日)~9月13日(日)に都内・東京建物Brillia HALLほか、大阪、福岡で上演。

配信元: エンタメOVO

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