私たちの天の川銀河の中心には、超大質量ブラックホール「いて座A*(エースター)」が存在します。ブラックホールがガスを飲み込む際、その一部を「ジェット」や「風」として噴き出すと考えられています。ただ、いて座A*から噴き出す風は1971年に予言されていましたが、50年以上にわたりこれまで観測されたことがありませんでした。しかし今回、詳細な観測と高度なデータ処理により、その風の証拠がついに発見されました。
低温ガスの層にあいた「空洞」に高温ガスが満ちていた

この画像は、地球から約2万6000光年離れたところにある、いて座A*の周辺をとらえたものです。中央の白い点のところにいて座A*があります。オレンジ色はアルマ望遠鏡が電波でとらえた低温ガス(一酸化炭素[CO])、青色はチャンドラX線望遠鏡がとらえた高温ガスの分布を示しています。高温ガスは、低温ガスの層にあいた円錐形の「空洞」を埋めるかのように分布しています。
かつては、いて座A*の周囲の領域は高温の電離ガスで満たされており、低温の分子ガスは存在しないと考えられていました。しかしアルマ望遠鏡を使った超高感度の観測により、実際にはいて座A*のすぐ近くの領域にも低温ガスが存在していることが明らかになりました。
その低温ガスの層を、ブラックホールから噴き出す熱い「風」が通り抜ける際、低温ガスを押しのけるか、あるいは加熱することで円錐形の「空洞」が作り出されたとみられています。ブラックホールからの「風」は、少なくとも2万年間にわたって吹き続けていると推定されています。ただ、ほかの銀河で見られるような劇的なジェットと比べると比較的穏やかです。
(参考)
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「天の川銀河中心の巨大ブラックホールを初撮影」
Image Credit: X-ray: NASA/CXC/Northwestern Univ./M. Gorski; Radio:ESO/NAOJ/NRAO/ALMA; Image processing: NASA/CXC/SAO: K. Arcand, P. Edmonds
(参照)Chandra X-ray Observatory、NRAO

