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「書き続けた先で出逢うもの」北方謙三×加藤シゲアキ『森羅記 一 狼煙の塵』刊行記念対談

「書き続けた先で出逢うもの」北方謙三×加藤シゲアキ『森羅記 一 狼煙の塵』刊行記念対談

三年後にまた対談を

――北方さんは『森羅記』の第二巻、第三巻となる物語を「小説すばる」に書き続けていらっしゃいますが、加藤さんは次の作品はもう書かれているんですか。

加藤 そろそろ長編に取りかかろうと思っています。今日は短編を書けって言われてしまいましたけど。でも短編もちょこちょこ書いてはいるんです。
北方 でも、よく書いていますよね。芸能活動もしている忙しさのなかで。
加藤 忙しい、時間がない、と思っても、無性に書きたくなるんです。
北方 すごくいいことだと思いますよ。
加藤 ただ、長編小説を書いていると、途中でしんどくなって、別の作品を書きたくなるんですよね。だから、この作品が終わったら、次にあれを書くんだと思って書くんです。北方さんのように大長編小説を書くかたに訊くのもなんですが、長い作品を書いていて、途中で飽きたりはしないですか。
北方 飽きないですね、まったく。常にこの続きを書きたいという感じがあるんです。だから、書くことが生きることなんですよ。書くことをやめたら死ぬだろうね。
加藤 僕、北方さんが出演されていた「情熱大陸」を見て、すごく励まされたんですよ。この対談のお話をいただいて、録画を見返したんですが、改めて小説家に大事なのは継続だと思いました。継続できるかどうかが小説家の才能なんだと。
北方 加藤さんは継続しているからすごいと思いますよ。
加藤 作家の先輩がたみんなに、書き続けろ、書き続けろって言っていただけるのがうれしくて。
北方 作家はみんな書き続けるしかないと思っていますよ。継続した結果があるだけだから。三年後にもう一回、加藤さんと対談したいな。それまでに何を書いているかですよ。
加藤 プレッシャーですね(笑)。がんばります。
北方 蕪蒸しですよ。皿の上の蕪蒸しそれ自体は何でもないものだけれど、あの小説のなかにあることで人生を象徴する。おそらくそれは、書こうとしたというよりも、書けてしまったものなんでしょう。でも実は、書けてしまったものこそが小説なんですよ。

「小説すばる」2025年10月号転載

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