
史上最も売れたアルバム「スリラー」を生み出し、ムーンウォークをはじめとした画期的なダンスで、いまなお世界中のアーティストに影響を与え続けているマイケル・ジャクソン。本作では、「ジャクソン5」の一員としてその才能を見いだされた幼少期から、世界最高のアーティストとして駆け上がっていく軌跡。そしてその裏側にあった、ひとりの人間としての葛藤や孤独。その両面を、圧倒的臨場感と共に描く。製作を『ボヘミアン・ラプソディ』(18)のグレアム・キング、監督を『トレーニング デイ』(01)、「イコライザー」シリーズのアントワーン・フークアが担い、マイケルの実の甥であるジャファー・ジャクソンが主演を務めた。

マイケル・ジャクソン全盛期の80年代にMTVナビゲーターとして活躍したマイケル富岡は、本作の応援団長として金色に輝く衣装で登場。「日本のマイコーです!」と挨拶して、会場を盛り上げた。上映後の会場で感想を語り合うことになると、マイケル富岡は「何分、しゃべっていいんですか?」と話したいことがたくさんあると笑顔を見せながら、「ジャファーが本当にすばらしくて!」と主演俳優を大絶賛。「役者さんならばビジュアル面を一生懸命に作り込んだり、ダンスを頑張って練習すれば形にはなるとは思う。でも声は…。第一声として声を聴いた時に、マイケルが降りていると思いました。全部、鳥肌ものでした。すばらしかった!」と熱っぽく語った。

先日開催されたジャパンプレミアでは来日ゲストとの交流も果たしたアヤノダガネも、「遺伝子レベルすぎる」とジャファーの体現したマイケルの姿に惚れ惚れ。「ジャファーさんが演じているけれど、本物すぎて。“私は一体、なにを観ているんだろう”という気持ちになりました。何度も見返したくなった」と興奮を伝えると、マイケル富岡も「こんなすばらしいキャスティングはないです」と改めて実感を込めた。またアヤノダガネは「スリラー」のMVを撮影するシーンも印象的だと述べ、「来た、来た、来た!って思いました。さらに、“こっち側”の世界を観られたのも新鮮」とMV撮影の裏側を知れたことに感動したとのこと。「マイケルが“もう1回やりたい”というところもあって、彼のこだわりや、交渉術にも感動しました」とクリエイターとしても大いに刺激を受けたという。

会場には、マイケルコーデ&コスプレに身を包んだ、熱烈なマイケルファンが集結した。ファンがステージに上がって、ファッションを披露するコーナーもあった。家族愛を抱いていたマイケルと同様に、家族のアイテムをファッションに加えたり、マイケルの平和への願いや社会貢献の精神を受け継いでいると語ったり、マイケルへのリスペクトを捧げたダンスを披露するファンなど、会場はマイケル愛に満ちあふれた。映画の感想を尋ねても、「マイケルは私の心の一部です」「何度も観たい」「自伝に書かれていた細かいところが反映されていて、ファンとしてもときめいた」と情熱的なコメントが次々と飛び出していた。

ファンの熱気を浴びたマイケル富岡は「マイケルがこの世にいないなんて、信じられない。いまだにエネルギーを感じる」としみじみ。「『Michael/マイケル』を作ってくれて、感謝しかありません。日本中、世界中にマイケルファンが多くいらっしゃる。ファンって期待値が高くなるものだけれど、裏切ることはまったくありません!」と自信を持って本作をオススメ。「一度ならず、二度三度、観てほしい。劇場で、デカいスクリーンで爆音で、マイケルを体感してください」と呼びかけた。

アヤノダガネは、「リアルタイムでマイケルを知らない世代だからこそ、この映画を観て新しい気づきもあった。若い世代の方々にも観ていただきたい」とプッシュ。高橋は「若い世代にマイケルのレガシーが正確に伝わり、彼を取り巻くいろいろな誤解、偏見が少しでも解消されるきっかけになればいいなと思っています」と胸の内を吐露。「生前は言われのないゴシップ、スキャンダルがつきまとい、悔しい想いをしたファンの方もたくさんいらっしゃると思う。そういう状況を塗り替えるようなポテンシャルが、この映画にはあると思っている。ここから始まる、新しいマイケルの歴史があると思う。ファンのみんなで、また彼のことを盛り上げていただけたら」と願い、大きな拍手を浴びていた。
取材・文/成田おり枝
