一方で、阿部前監督には「他人に厳しく自分に甘い」致命的な二面性があったとの指摘もある。選手時代に発覚したグラビアアイドルとの不倫スキャンダルでは、激怒した妻に謝罪して関係を清算したかと思いきや、その後もズルズルと不倫関係を継続していたことが明らかにされている。
当時の裏側を知る、球界関係者が振り返る。
「最終的には相手の所属事務所と激しく揉める事態に発展し、周囲が火消しのために暗躍せざるをえない事態を引き起こしていた」
また、17年1月にはグアム自主トレに「不仲説」が流れていた小林誠司(37)を突如同行した一件も思い起こされる。
「阿部が小林に『バリカンを持ってこい』と、参加条件を出したと報じられました。小林がみずから頭を丸めて現れ、阿部が『俺の刈る仕事がなくなった』と冗談めかして一蓮托生をアピールする不可解な一幕がありましたが、裏では阿部番として昵懇だった某スポーツ紙記者の入れ知恵が最初からあったとされる。なぜか美談扱いされましたが、立派なパワハラでした」(スポーツ紙記者)
若気の至りと言える昔話もあったとはいえ、距離を置こうとする関係者は多く、今回の事態を受けて、同情論とは裏腹に冷ややかな視線が向けられているのもまた事実なのである。
さて、こうしたゴタゴタを巧みに処理した裏で、山口オーナーには「好都合な側面もあった」と指摘する声が出ている。
「オーナーは阿部前監督を高くは評価していなかったと言われ、今回の不祥事で切り捨てたのも『ならば辞めるべき』と、即断したのだろう」(有力OB)
当然のように読売サイドの関心は、後始末の後任人事に向かっている。今季は急遽、橋上秀樹オフェンスチーフコーチ(60)が監督代行を務めているが、問題は来季だ。だが、そこには大きな誤算も立ちはだかる。阿部前監督の「次」と言えば、故・長嶋茂雄氏と「約束がある」とほのめかす松井秀喜氏(51)や、16〜17年の暗黒時代に監督を経験してV逸のまま終わった高橋由伸氏(51)の再登板が「既定路線」とされてきた。しかし、今回の暴力事件による失脚劇が、その青写真を完全に「白紙」に戻してしまったのだ。両氏と今も連絡を取り合う、元フロント関係者が深刻な舞台裏を明かす。
「松井も由伸も、慎之助と関係性は悪くない。しかし前代未聞の不祥事を受けての就任は、普通の神経なら遠慮が働きます。自身のクリーンなブランドに傷がつくのを恐れ、松井も由伸も首を縦に振ることはまずないでしょう」

