6月14日に行われるL・パラダイスステークス(東京・芝1400メートル)に、あのカリボール(牡10)がエントリーしてきた。
カリボールは昨年の同レースで14頭立ての14番人気ながら、アッと驚く1着に飛び込み、単勝払い戻し2万720円という超大穴馬券の立役者となったムラ馬だ。その後は例に漏れず惨敗が続いているが、今回はガラリ一変があるかもしれない。
前々走で西村真幸厩舎(栗東)から戸田博文厩舎(美浦)に転厩。同馬の馬主で、脚本家としても知られる大和屋暁氏は転厩の舞台裏について、競馬サイト「競馬ラボ」の連載コラム「通暁暢達」(2026年2月23日配信)で、次のように述べている。
〈10歳という年齢ですので地方に出すにも年齢制限のない高知に行くしか方法がないとのことで、そして高知競馬は現在新規の馬主を受け付けていないそうで、言うまでもなく私は高知競馬の馬主資格を持っていなくて、さあどうしたものかと困っていたところ(中略)戸田先生が引き受けてくださることになりました〉
筆者は3走前のGⅢ・シルクロードS(2月1日、京都・芝1200メートル)を含めて都合2回、本サイトで「カリボールに一発大駆けの可能性あり」と指摘した。
競馬格言のひとつに「転厩後は必ず3戦目までは追いかけろ」があるが、今回はまさに「背水の陣」と言っていい「転厩3戦目」。「二度あることは三度ある」となるのか、はたまた「三度目の正直」となるのか。筆者は「今度こそ」の願いを込めて、後者の可能性に懸けてみたいと考えている。
何かの拍子にピタリと折り合えば一級品の鬼脚炸裂
馬主の大和屋氏は上記のコラムで、次のように期待を口にしていた。
〈最後に勝ったのが去年のパラダイスステークスで、夏までは賞金加算の優先出走の権利がまだありますし、馬自身はまだまだ真面目に走ってくれている。(中略)さらには夏場が大得意ということで、前走(シルクロードS)も最下位ではありますが勝ち馬からは0.8秒差、展開一つで着順は変わるでしょう〉
カリボールには「他馬を気にして折り合いを欠く」という悪癖があるが、何かの拍子にピタリと折り合った時には、一級品の鬼脚を炸裂させる。
競馬ファンの度肝を抜いた昨年のパラダイスSは、久々のブリンカー着用が功を奏した激走劇だった。その後、ブリンカーの着用は続いているが、前述した通り、今回は「転厩3戦目」という、新たな激走ファクターがある。
各社公表の単勝予想オッズを見ると、今回も100倍を超える最低人気は確実。大穴単複馬券として狙いが立つ、ラストチャンス到来である。
(日高次郎/競馬アナリスト)

