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味方もべた褒めの堂々たる仕事ぶり。佐野海舟は一段階飛躍を遂げたと見ていい。ブラジル戦でも輝きを放てば本物だ【日本代表】

味方もべた褒めの堂々たる仕事ぶり。佐野海舟は一段階飛躍を遂げたと見ていい。ブラジル戦でも輝きを放てば本物だ【日本代表】


 10月シリーズで日本代表が対峙するパラグアイとブラジルは、9月シリーズで相まみえたメキシコとアメリカよりも、一段レベルが上がる相手だ。南米の難敵に勝ち切るのは簡単なことではない。

 森保一監督もそう考えたからこそ、10日のパラグアイ戦では南野拓実(モナコ)、堂安律(フランクフルト)、鈴木彩艶(パルマ)ら主力級をスタメンに抜擢したのだろう。

 ボランチにしても、今回は田中碧(リーズ)と藤田譲瑠チマ(ザンクトパウリ)の組み合わせが有力視されたが、ふたを開けてみると田中と佐野海舟(マインツ)のコンビ。「球際で負けない」という姿勢を鮮明にして、パラグアイ戦に臨んだ。

 案の定、パラグアイの選手たちは個々の強さとタフさに秀でており、1対1のバトルでも日本を上回っていた。「今日は守備が全然ハマらなくて、押し込まれる展開になった」と3バック右で出場した瀬古歩夢(ル・アーブル)も語っていたが、日本は良い守備からスピーディな攻撃を仕掛けることができず、21分に早々と先制点を奪われた。

 こうしたなか、孤軍奮闘したのが佐野だ。26分に小川航基(NEC)が同点ゴールを挙げたシーンでは、中村敬斗(S・ランス)が潰れてマイボールにしたところで、迷わず小川に預けて得点をお膳立て。さらには得意の即時回収を連発。圧倒的なデュエルの強さも示した。

「今日の試合では、海舟君がすごく目立っていたと思います。唯一と言っていいほど対人で負けていなかった選手」と、89分に佐野との交代で途中出場した藤田が言えば、同じくベンチスタートだった鎌田大地(クリスタル・パレス)も「前半を見てたら海舟が1人で(デュエルのところを)全部やってくれていた。彼が欧州で活躍できるという違いを出せていた」と絶賛。日本が1-1で試合を折り返し、後半に2点目を奪われてビハインドだった終盤まで、ハイレベルな仕事を見せ続けたと言っていい。
 
 その献身性とハードワークが、望みをつないだ。日本は、後半のアディショナルタイムに上田綺世(フェイエノールト)が同点弾を奪取し、2-2のドローに持ち込んだ。9月はメキシコと0-0で引き分け、アメリカに0-2という結果で、これで3戦連続未勝利という厳しい事実はあるが、連敗を阻止したという意味で、佐野の貢献度は非常に高かった。

「今日は守備から入るっていうのは意識してましたし、相手の球際に負けず、勢いを持っていかれないように意識して入りました」と本人も語るが、「自分のやるべきことをハッキリさせよう」というスタンスは、先発したアメリカ戦では感じられなかったこと。

 1か月前のコロンバスでのゲームはボランチで藤田と組んだが、2人の距離感が遠くなり、守備強度が低下。ボールを受けること自体も怖がるような印象だった。

「もう少し勇気を持ったプレーが必要だった」と本人も反省しきりで、「このままではダメだ」という危機感を強めたに違いない。

 その後、ドイツに戻って、得意のボール奪取から「前へ前へ」という意欲を強く押し出すようになり、9月20日のアウクスブルク戦ではドイツ移籍後初ゴールも生まれた。

「結果が出たことは自信になりました。どういう奪い方で行けば攻撃につながるのかっていうところは自分の中で常に考えているし、自分の武器だとも思っています」と、今回の代表合流後も話していて、明らかにメンタル面で前向きな変化があるようだ。
 
 もともと佐野は精神的な部分がパフォーマンスに表われやすい傾向がある。それはJリーグ時代もそうだった。代表では完全に定着したとも言い切れず、不安定な立場でやっていた分、迷いもあったのだろうが、このパラグアイ戦の堂々たる仕事ぶりで、一段階飛躍を遂げたと見ていいのではないか。

「次が大事だと思いますし、次に継続しつつ、より成長した姿を見せないといけないですし、勝利に貢献したいと思っているんで、今日の結果では満足できない。もっともっとできることはあるかなと感じます」

 本人もいち早く14日のブラジル戦に目を向けていた。確かにブラジルは、佐野が過去に対戦したことがないであろう最高峰レベルのチーム。そこでボール奪取や縦への配球ができるかどうかで、彼自身の真価が問われるのは間違いないだろう。
 
 加えて言うと、自らアクションを起こせる選手になれるかどうかも重要なテーマ。代表での佐野を見ていると、遠藤航(リバプール)や鎌田、田中ら経験豊富な年長と組む時は思い切ったプレーを出せるが、自分がリーダーにならなければいけない局面では、物足りなさが垣間見えるのだ。ブラジル戦で先発となれば、おそらく鎌田とのコンビになるだろうが、相棒が誰だろうと「自分が周りを動かす」という自覚を持って取り組むことが肝要だ。

「誰と組んでも自分の良さを出しつつ、しっかりとバランスを取ってやらないといけない」と佐野は自戒を込めて話したが、次のブラジル戦で輝きを放つことができれば本物だ。

 パラグアイ戦で評価を上げた佐野にとって、ここからが本当の勝負。8か月後の2026年北中米ワールドカップに向け、次戦で大きな弾みをつけなければいけない。注目の一戦での一挙手一投足をしっかりと見極めたいものである。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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