
「スクリーム」シリーズなどのホラー映画を中心にありとあらゆる映画のパロディに、下ネタからナンセンスギャグまで詰め込んだ第1作『最終絶叫計画』(00)は、公開年の年間興収ランキング7位に入る大ヒットを記録しシリーズ化。作品によって興行成績にばらつきは見られるが、シリーズの人気自体は落ちることなく、長年にわたって続編が熱望されてきた。13年ぶりの今作では、ウェイアンズ兄弟が25年ぶりにクリエイティブに参加し、シリーズの顔ともいえるアンナ・ファリスとレジーナ・ホールが20年ぶりに復帰を果たしている。
初日から3日間の興収は5433万6626ドルと、シリーズ第1作の同4234万ドル、ならびに第3作『最‘狂’絶叫計画』(03)の同4970万ドルを上回る、シリーズ最高のオープニングを記録。失敗作に終わった前作『最終絶叫計画5』(13)の最終興収をすでに抜き去っており、第2作『最‘新’絶叫計画』(01)の最終興収も射程圏内。シリーズとしては23年ぶりの北米興収1億ドル突破も充分に狙える好調なスタートを飾った模様。

ちなみに批評家からの評価が散々なのはいつものことなので、なにも問題がない。批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家からの好意的評価の割合は24%と、第2作(13%)と第5作(4%)の壊滅的な低評価には敵わないものの、「絶叫計画」シリーズの看板に恥じない低評価を獲得。一方で観客からの好意的評価は67%と、まさかのシリーズ最高を更新。やはり待望の続編であることと、近年ではすっかり同系統の作品が少なくなってしまったことが要因なのだろう。
また、2位に初登場を果たした『マスターズ・オブ・ユニバース』(日本公開中)は、1980年代に大ブームとなったマテル社の玩具を原作としたヒーローアクション。初日から3日間で興収2943万9929ドルと、高額な制作費を考慮すると微妙な数字だが、Amazon MGM作品なので影響は少ないと見える。しかも「ロッテン・トマト」をチェックしてみると、批評家からの好意的評価が68%なのに対し、観客からのそれは87%と非常に高い。こちらも“観客に求められる”タイプの作品ということをきちんと証明できたようだ。

そんな2本に押し出されるように3位と4位に後退した『Backrooms(原題)』と『オブセッション 災愛』。前者は2週目末の興収2625万ドルと、オープニング対比3分の1となる大幅な下落に見舞われており、ここからの踏ん張りがカギとなりそう。それでも累計興収は週末時点で1億3500万ドルを突破し、全世界興収もA24作品としては初めて2億ドルを突破。まだまだムーブメントが終わる気配は見られない。
また『オブセッション 災愛』のほうは、前週比92.7%となる3日間興収2538万ドルを記録する見事な粘り腰。週末時点で累計興収1億5000万ドルを突破し、世界興収も2億4000万ドルに到達(すでに制作費の320倍!)。次週末からは上映館数をさらに増やし、3000館を超える興行になる見込みである。平日に入ってからは『最終絶叫計画 令和!』と『Backrooms(原題)』『オブセッション 災愛』の三つ巴が形成されているようで、これらがスティーヴン・スピルバーグ監督の最新作『ディスクロージャー・デイ』(10月1日日本公開)とどんな戦いを見せてくれるのか楽しみだ。
文/久保田 和馬
