重なってしまった、二つの世界
彼女からメッセージが届いたのは、それからしばらく後のことでした。「全部、つながったよ」。その一行を見た瞬間、僕は自分が築いてきた嘘の全体像を、初めて他人の目線で見せられた気がしました。言い逃れの言葉をいくつも思い浮かべて、そのどれもが意味をなさないことに気づきました。僕は「全部、本当だ。ごめん」とだけ返しました。彼女からの返事は、「もういい。さよなら」。たったそれだけでした。
そして...
何度も謝罪のメッセージを送りましたが、彼女がメッセージを開くことはありませんでした。当然のことだと思います。僕は二人の相手を、同じ嘘で同じように待たせていたのですから。別れを告げられて初めて、自分が失ったものの大きさがわかりました。彼女が見せてくれていた信頼も、もう一人の相手が向けてくれていた気持ちも、すべて僕が自分の手で踏みにじっていたのです。楽な方へ逃げ続けた結果、僕の手元には何も残りませんでした。これは、僕がついてきた嘘がそのまま返ってきただけのことです。次に誰かを大切に思える日が来るのなら、もう二度と、嘘で守れるものなんて何もないと心に刻んでおきます。
(20代男性・営業職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
