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『ガンダム』の富野監督が映ってる!? 昭和アニメで“別作品キャラ”がしれっとよく登場していたワケ

『ガンダム』の富野監督が映ってる!? 昭和アニメで“別作品キャラ”がしれっとよく登場していたワケ


『無敵超人ザンボット3』本編に富野由悠季さんが登場? 画像は『無敵超人ザンボット3』DVDメモリアルボックス(バンダイビジュアル)

【画像】え…っ!「クビレすごっ」 こちらが富野監督作による魅惑ボディな『ガンダム』美少女ヒロインです(4枚)

よぉーく見ると別アニメキャラが?

 アニメ好きの方なら気がつくかもしれない、見ている番組とは関係ない別作品のキャラクターやロボットが、画面の隅っこにチラリ。

 コレ、ご想像の通り、ほとんどはその場面の作画をしたアニメーターさんの遊びです。「パクリ」「インスパイア」というほどのものではなく、はるか昔からある単純なイタズラで、それこそ、めざとい視聴者が「あれっ?」と気がついたものの、次の瞬間にはもう別の場面。そこで、同じ番組を見ていた友人と「昨日のあのシーンでさぁ」「あ! やっぱりそうだったんだ!」と話題のネタに。

 ロボットに限らず、例えば日本サンライズ(現:バンダイナムコフィルムワークス)1977年制作の『無敵超人ザンボット3』の最終話、主人公に駆け寄る人々のなかには、監督だった富野由悠季さんが混ざっています。これも、そのシーンを担当した作画さんのアドリブお遊びで、正式なキャラクター設定などはありません。当然ご本人にも知らされず、試写で初めて知って「おい、このカット(場面)描いたの誰だよ!」という案配です。

 ただし、当時は監督の顔を知る人はまさに内輪だけでしたし、ご本人も快諾してくれたので問題にはなりません。

 他作品問題は、アニメーターさんたちの中には「実は好きで」という想いで描いちゃった人もいたでしょう。それに日々何十枚と作画している彼らが、画面一杯に人が走る、ロボットの大群が攻めてくる、なんてシーンを任され、さすがにうんざりして、つい気分転換……という気持ちは理解できます。

 ただ、当然ながら、番組、作品には「著作権」「版権」というものがあり、特にその権利が商品に結びついているもの、例えば主役ロボットなどですと、許諾無しに別作品に使うのは、正直マズイのです。

 それでも、それが存在するのは、要するに「お目こぼし」です。

 TV画面を録画するなんてことがなかった1970年代くらいまでは、上記のように、気がついても再放送でもなければ確認も出来ず流れていくだけのものでしたから、版権元もあまりうるさいことは言わなかったのでしょう。

 しかし家庭用VTRが浸透し、一瞬の「気のせい?」が再確認できる時代がやってきます。さらに映像が市販商品となり、こうしたシーンが何度でも見られるようになってしまいました。

 地上波がデジタル放送に変わるとモニターの画面比率も変わりました。すると以前なら画面の範囲から外れた外側に描かれていたイタズラまで見えてしまうことが起こるようにもなりました。(フィルムといえど、実際のTV放送画面より少し広く撮影されています)

 制作側にいた人間としては、これには正直困っちゃいました。

 いまなら、問題の部分だけデジタル処理で消せるでしょうが、そんなことができるようになったのは最近のこと。まして以前販売したビデオやDVDは、いまさら回収して……なんてわけにはいきません。

多くの方はご存じでしょうが、著作権侵害は申告罪で、版権元が申告することで発動します。(例外もあります)

 つまり、そんな映像が見られるというのも「気持ちはわかるよ」「まあ、好きでいてくれたってことで」「ファンが喜ぶなら」と、版元が広い心で黙認しているというのが現実です。

 ですから、話題にしたいお気持ちは、よーっくっ! わかっておりますので、どうか昔のように、直接お友達と話す位のことにとどめ、ネット等、公の場であまりおおっぴらに話題にするのはお控えいただければと。

 でないと、版権元も「腰を上げざるを得ない」ことになってしまいかねません。

 それって……お互い色々と寂しいことになりますからね。

 そして、もしこれを読んでいる業界関係者さんがおいででしたら、……以下、どうかお察し下さい。

 個人的には、昨今の「公式作品コラボ」などの風潮が、業界にとっても作品を愛して下さる方たちにとっても、良い方向の未来を作る流れにつながっていってくれるなら、それに越したことはなかろうとは思っているのですけども。

【著者プロフィール】
風間洋(河原よしえ)
1975年よりアニメ制作会社サンライズ(現・バンダイナムコフィルムワークス)の『勇者ライディーン』(東北新社)制作スタジオに学生バイトで所属。卒業後、正規スタッフとして『無敵超人ザンボット3』等の設定助手、『最強ロボ ダイオージャ』『戦闘メカ ザブングル』『聖戦士ダンバイン』『巨神ゴーグ』等の文芸設定制作、『重戦機エルガイム』では「河原よしえ」名で脚本参加。『機甲戦記ドラグナー』『魔神英雄伝ワタル』『鎧伝 サムライトルーパー』等々の企画開発等に携わる。1989年より著述家として独立。同社作品のノベライズ、オリジナル小説、脚本、ムック関係やコラム等も手掛けている。
2017年から、認定NPO法人・アニメ、特撮アーカイブ機構『ATAC』研究員として、アニメーションのアーカイブ活動にも参加中。

配信元: マグミクス

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