評価アップでサッカー日本代表・森保一監督の去就に、熱視線が注がれている。
このW杯でベスト8以上を最低目標に掲げる日本(FIFAランク15位)は6月15日に同じF組の最大のライバルでランキング8位のオランダと対戦。二度のリードを許しながら、MF中村敬斗と鎌田大地のゴールで2-2の引き分けに持ち込み、勝ち点1をもぎ取った。
今大会から出場チームが32から48に増え、グループリーグ上位2チーム、3位は12チーム中8チームまでが決勝トーナメントに進める。今後はチュニジア、スウーデンとランキングでは格下のチームとの対戦を残すのみとなり、3大会連続5度目のベスト16進出に一歩前進した。
前回大会での森保ジャパンは、過去にW杯で優勝しているスペインとドイツを連続撃破し、その後はサッカー王国ブラジル、発祥国イングランドも退けているだけに、森保監督の手腕は全世界のサッカー関係者の知るところとなっている。今回のオランダ戦に引き分けたことで、評価は爆上がりだろう。
W杯は「監督の品評会」といわれている。各代表監督のチーム作り、作戦、指揮能力を世界中のサッカー関係者がチェックしており、それが大会後の再就職先決定の参考資料になる。森保監督も例外ではない。ベテランのサッカーライターはこう話す。
「さすがに好成績を残したとしても、日本代表の続投はないでしょう。どんないい指導者でも、マンネリになることは避けられない。森保監督も一度、代表チームを離れたいんじゃないかな。本人はしばらく休みたいかもしれないが、周囲が放って
はおかないでしょう。争奪戦になることは間違いないですね」
現実的に可能性が高いのはJ1リーグ復帰、あるいは日本資本が入り欧州リーグに所属する、日本人がプレーしているクラブが選択肢に入ってくる。前回のカタールW杯終了後にはJanet、DMM.com、マルハンなどがスポンサーに名を連ね、日本代表の谷口彰悟らがプレーする、ベルギー1部のシント=トロイデンVVがオファーを出している。
総額40億円規模で監督に招聘した過去が…
最も熱心に誘ってきそうなのがアジア、中東各国だろう。前出のサッカーライターは、
「アジア予選突破だけでなく、W杯本大会でも結果を残したいサウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)あたりは本気で誘ってくるでしょうね。イランとアメリカとの戦争がありましたが、この3カ国はあり余るオイルマネーを持っている。森保監督の意向にかかわらず、マネーゲームに巻き込まれる可能性はあるでしょう」
現在の森保監督の年俸は数億円程度といわれるが、今大会に出場した国ではブラジルのカルロ・アンチェロッティ監督の約1130万ドル(約18億円)を筆頭に、ドイツのユリアン・ナーゲルスマン監督の790万ドル(12億6000万円)、アメリカのマウリシオ・ポチェッティーノ監督の約680万ドル(10億8000万円)、イングランドのトーマス・トゥヘル監督の約650万ドル(10億4000万円)など、年俸10億円を超えるのはザラだ。金に糸目をつけない中東各国なら、10億円規模のオファーを出すのは容易だろう。
さらにサウジなどのクラブチームなら、それらを上回るオファーもありうる。だが、古くから森保監督を知るスポーツ紙デスクは、
「森保監督はお金で転ぶ人間でありません。しかし、国を挙げて最大級のサポート体制を敷き、熱意をもって口説けば、どうなるか分かりません。情に厚い人ですから」
サウジは過去、ロベルト・マンチーニ氏を総額40億円規模で代表監督に招聘したことがある。実現すれば森保監督が、日本人スポーツ指導者の最高級取りに君臨するのは間違いない。
(阿部勝彦)

