みんなが次々と決めていく座席
幹事から「バス旅行の席、このアンケートで決めましょう。好きなところに名前を入れてくださいね」とメッセージが届きました。
チャットの画面には、バスの座席表を模したアンケートが貼られていて、すでに何人かが名前を入れ始めています。仲のいい人同士が、当たり前のように隣を選んでいきました。
私が座りたいと思ったのは、いつも話していて居心地のいい、彼の隣の席でした。深い意味はなく、ただ一緒にいられたら楽しいだろうな、それくらいの気持ちです。私はそっと、彼の隣のマスに自分の名前を入れようとしました。
何度やり直しても入れない、隣の席
ところが、私が彼の隣に名前を入れると、ほどなく彼の席がすっと別のマスへ移ってしまいました。あらためて移った先の隣に名前を入れ直しても、また彼の席が動いてしまう。一度ではありません。二度、三度と追いかけても、彼の隣にだけは、どうしても私の名前が並ばないのです。
ほかのみんなはすんなりと席が決まっていくのに、私だけが取り残されているようでした。もしかして、避けられているのかもしれない。私と隣になりたくなくて、わざと動いているのではないか。考えれば考えるほど、不安が膨らんでいきました。
