すぐにでも書きたかった、彼女の隣
幹事から「バス旅行の席、このアンケートで決めましょう。好きなところに名前を入れてくださいね」とメッセージが届きました。チャットに貼られた座席表を見て、僕の頭にまず浮かんだのは、彼女の隣に座りたいという気持ちでした。
最近よく話すようになって、一緒にいると自然と笑顔になれる人です。だから隣の席に名前を入れるだけでいいはずなのに、いざとなると、なかなか決められませんでした。
意識しすぎて、何度も動かした席
アンケートを開くと、僕の席の隣に、彼女の名前が入っていました。うれしさと気恥ずかしさが一気に押し寄せて、意識しているのが周りにばれてしまう気がして、思わず自分の席を別のマスへ動かしてしまいました。
けれど、移った先にもまた彼女の名前が並びます。そのたびに照れくさくなって、僕はまた席を動かしました。きっと偶然だろう、僕の隣を狙っているはずがない。そう思い込んで、自分が逃げ続けていることにも、それが彼女を不安にさせていることにも、気づいていませんでした。
