竹原の日本酒も県内トップレベル!
市内を飛び出して、もうひと蔵。東に車や電車で最短1時間ほどの場所にある、竹原市へ向かいました。かつて塩田で栄えた竹原は、南は瀬戸内海に面し、北は山々に囲まれた好環境。酒造は3蔵があり、歴史的建造物が並ぶエリアも魅力です。
▲竹鶴酒造は、ニッカウヰスキーの創業者であり“日本のウイスキーの父”と呼ばれる竹鶴政孝(朝ドラ『マッサン』のモデル)の生家としても超有名
その中から訪れたのは、五代目が竹原市観光協会の会長も務める藤井酒造。同蔵は、第1回全国清酒品評会(1907/明治40年開催)で日本一に輝いた超名門。そこから100年後の2007年には、『IWC』に新設されたばかりの『SAKE部門』で『龍勢 純米大吟醸 黒ラベル』が世界一を受賞しています。
拠点に隣接した『酒蔵交流館』では、有料試飲や商品購入が可能。ここで五代目・藤井善文さんから話を聞きながら、代表銘柄の試飲をさせてもらいました。ちなみに現代表は、六代目の藤井義大さんです。
▲藤井善文さん
藤井酒造は伝統的な日本酒造りへの原点回帰を進めており、2021年からは業界でも珍しい全量生酛(きもと)仕込み・酵母無添加の酒造りへと舵を切りました。自然の恵みを最大限に生かし、蔵の菌と職人の感性とが共創し合う、個性に富んだおいしさが魅力です。
▲大正時代に作られたという、貯蔵用の巨大な木樽
そして試飲は夏酒『龍勢 涼風生生<山田錦>』をレビュー。すがすがしいフレッシュな酸に続く、青リンゴやラムネを思わせる爽快な果実味がすこぶるイイ! キレもよく、しっかり冷やして飲むのがマストですな。
さらに『IWC』で世界一に輝いた『龍勢 純米大吟醸 黒ラベル』も飲ませていただきました。こちらはどっしりとしたうまみとボディがあり、リッチな吟醸香が華やぎつつもすっきりした辛口のフィニッシュ。スペック的にも味わい的にもエレガントです。
なお、『酒蔵交流館』では『龍勢 涼風生生<山田錦>』が2200円、『龍勢 純米大吟醸 黒ラベル』が3630円でした。試飲もできますし酒器なども買えるので、竹原を訪れた際にはぜひどうぞ。
竹原で宿泊や特別なランチなら『ニッポニア ホテル』が推し
この地でもう1カ所紹介したいのが、『NIPPONIA HOTEL(ニッポニア ホテル) 竹原 製塩町』。同ホテルは歴史的建築物を活かすことに加え、複数の建物で展開し“まち全体をホテル”に見立てた設計が特徴です。
この竹原は、元は銀行や料亭だった建物などを保存・改修して2019年に開業。また、食材の地産地消に加え、地元由来の塩と3蔵の銘酒にフォーカスした料理も独自のポイントです。ここでは藤井さんの案内で、日本酒と楽しむペアリングランチをいただきました。
▲同館の『LE UN(ルアン) NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町』では、瀬戸内食材×フレンチのコースを、3カ月ごとに一新して旬を提供。宿泊者以外でも楽しめます
味わったのは、メインが選べる全5皿の『デジュネA』(3800円/税・サ別)と、『お酒ペアリング』(3500円/税込サ別)。中でも、本取材の限定メニューとして用意してもらった一皿が『ファームスズキ産 牡蠣のポワレ 春キャベツとチョリソーオイル』です。
▲牡蠣料理は通常提供のない、この日だけのメニュー
合わせた日本酒は『龍勢 ゆらぎの凪 -八反35号-』。スルリとなめらかなタッチのあとに広がる、やさしい酸と米のふくよかな甘みがたまりません。クリアで繊細な酒質は魚介類と実にマッチし、ミルキーな牡蠣のうまみとも調和。杯も進みます。
▲『龍勢 ゆらぎの凪 -八反35号-』は、藤井酒造の『酒蔵交流館』で1980円
もうひと皿紹介したいのが、竹鶴酒造の『純米 秘傳』と『瀬戸内の鯛と海藻のヴィエノワーズ 竹鶴酒造大吟醸のソース』のペアリング。この銘柄は広島における純米酒の先駆けかつ、竹鶴の定番。蔵内熟成による琥珀色と豊かなうまみが多幸的で、料理に使われた大吟醸のソースともドンピシャでした。
酒どころ、広島。出張や旅行で訪れた際は、もみじ饅頭やあなごめしなどと一緒に日本酒もお土産にぜひ。竹原には駅からの徒歩圏内に3蔵が点在していて、西条はさらに多く7つも蔵があるので、酒造巡りも楽しいですよ。
(執筆者: 中山秀明)
(執筆者: 中山秀明)
