画面に並んだ、二つの予約
付き合って3年、その記念日に彼が予約してくれたのは、前から行きたいと話していたイタリアンのお店でした。「予約取れたよ。楽しみにしてて」というメッセージと一緒に確認画面が送られてきて、私は思わず笑顔になりました。
ところが、その画面をもう一度見て、引っかかるものがありました。予約一覧のいちばん上には記念日の予約。けれどそのすぐ下に、同じ店のもう一件の予約も残っていたのです。
予約番号は別のもの、名前は彼のまま。何かの間違いかと、私は何度も画面を見直しました。
聞けないまま膨らむ想像
彼に何と聞けばいいのか、わかりませんでした。事前に、誰かと行くつもりなのだろうか。そんな想像が頭をよぎるたびに、最悪の場面ばかりが膨らんでいきます。私の知らない相手と、同じ席で向かい合うことになる彼の姿。考えるほどに、好きだったはずの食事もほとんど手をつけられませんでした。
それでも彼は、いつもと変わらない様子でメッセージをくれます。記念日を楽しみにしている彼に、私はあいまいな相づちを打つことしかできませんでした。確かめてしまえば、何かが終わってしまう気がしたのです。聞けないまま、ただ時間だけが過ぎていきました。
