後半の守備に課題を残した5位決定戦
最後の5位決定戦はブラジルとの対戦となった。ライトの萩原が初球、相手のポスト際にストレートを突き刺し、最高のスタートを切る。しかし、股下からの威力あるボールを織り交ぜて多彩な攻撃を仕掛けてくるブラジルに逆転を許した。
日本は後半の猛追を止められず敗戦し、最終順位は6位。前半を必死に守りきりながらも、後半に失点を重ねてしまう守備の課題が残った。
そんな中、大会前の壮行会で高橋が語った「どんな状態になったとしても笑顔で頑張る」という言葉通り、チームは最後まで前を向いて戦い抜いた。辻美穂子コーチも「選手たちは確実に強くなっている」と、その健闘を称えた。
収穫もあった。東京2020パラリンピックにはローイング(ボート)で出場した木村由が、初の世界選手権を経験。得意の回転投げで得点を挙げるなど、日本のオフェンスにアクセントをつけた。
木村は力強い投球を披露した一方で、課題も明確になった。ボールに触れてから10秒以内に投げ返さなければならないルールの中、今大会の日本は全体的にテンポが遅れがちになり、相手を攪乱する本来の強みが出しきれなかった。
司令塔の高橋は「やってきたこと自体は間違っていないという手応えはあった」としつつも、攻撃の起点として「自分たちの間が遅くなりがちだった。もっと早くテンポを上げられるよう、盛り上げていきたい」と、さらなるチームの進化を見据える。
チームをけん引した高橋舞台となった杭州の中国盲人門球訓練基地は、2023年のアジアパラ競技大会のゴールボールが行われた場所だ。ホームの中国代表は今大会、男女ともに優勝を飾り、10月に愛知・名古屋で開催されるアジアパラ競技大会でも最大のライバルとして立ちはだかる。
「アジアパラは、日本の皆さんに見ていただきやすい機会になる。そこでしっかり結果を残したいと思うので、応援していただけたら嬉しいです」
大会を終え、ブラジルの選手たちとハグを交わし、互いの健闘を称え合ったキャプテンは、笑顔でそう締めくくった。
世界選手権6位のゴールボール女子日本代表text by Asuka Senaga
photo by TEAM A
