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【対談連載】セレンディクス 共同創業者兼CTO 飯田國大

【対談連載】セレンディクス 共同創業者兼CTO 飯田國大

●こぼれ話


 「3Dプリンターで家をつくるなんてすごい発想ですね」。対談を聞きながらシャッターを切っていたカメラマンから思わず声が出る。3Dプリンターで作成したミニチュアの模型をコンコンと叩いたり、中を覗いたりしながら、私は耐久性や防音に関する疑問を投げかけた。飯田國大さんは、よどみなく自信たっぷりに解説してくれた。もちろん、どれも優れているのだそう。
 これまでの業界区分や企業間の関係が変化し、多様化した現在においては、既存のビジネスエコシステムで、ものづくりを考えていては価値提供が十分にできない場合がある。顧客に最適な体験を提供することに向けて、業界の壁を越えて幅広い製品・サービスを融合させていくことが必要となる。固定的なバリューチェーンではなく、専門分野に特化した多種多様の価値提供者が各レイヤーにおいて共創することが求められる。
 今、価値を創造する仕組みが大きく変わっている中で、それを実践している飯田さんのお話を聞くことができたことは、とても大きな学びにつながった。どのレイヤーは誰に任せ、自社は何にフォーカスするのか。セレンディクスが自信を持ってフォーカスするのは、3Dプリンターで住宅をつくる「データ」だ。その決定は潔く見えた。
 セレンディクスは、住宅メーカーとは戦っていない。競争相手ではなく、共創相手だ。サプライチェーンの各工程を一貫して自社で保有するような統合型の企業であれば、そうはいかない。オープンイノベーションが、スピードと革新的な製品を生むのに欠かせない。また、300社以上の企業と連携できるのは、飯田さんの企業理念が「国民の怒り」に根ざしているからだ。お話を聞きながら、現在のものづくりや企業の在り方について、改めて考えるきっかけを得た。
 セレンディクスのデータは日本を飛び出して、海外でも3Dプリンターがある場所で価値を発揮する。飯田さんは、国を大きくするどころか、世界中の人々の人間らしい生き方を支える存在ではないだろうか。さらに協力の輪が広がることを期待している。
(奥田芳恵)
心に響く人生の匠たち
 「千人回峰」というタイトルは、比叡山の峰々を千日かけて駆け巡り、悟りを開く天台宗の荒行「千日回峰」から拝借したものです。千人の方々とお会いして、その哲学・行動の深淵に触れたいと願い、この連載を続けています。
 「人ありて我あり」は、私の座右の銘です。人は夢と希望がある限り、前に進むことができると考えています。中学生の頃から私を捕らえて放さないテーマ「人とはなんぞや」を掲げながら「千人回峰」に臨み、千通りの「人とはなんぞや」がみえたとき、「人ありて我あり」の「人」が私のなかでさらに昇華されるのではないか、と考えています。
奥田喜久男(週刊BCN 創刊編集長)
<1000分の第395回(下)>
※編注:文中に登場する企業名は敬称を省略しました。
配信元: BCN+R

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