東北楽天ゴールデンイーグルスの吉井理人新監督の就任発表会見で「おや?」と思う場面があった。会見には三木谷浩史オーナー、石井一久GMが同席したが、マイクが置かれていたのは三木谷オーナーと吉井監督の前のみ。石井GMは座っているだけだった。
冒頭、三木谷オーナーが「中長期的な戦力に立って、球団の様々な改革に」と話したが、その一端を吉井監督に担ってもらうようだ。石井GMの職域にも、吉井監督が関わっていくのだろうか。
三木谷オーナーは会見後、一部メディアの取材に応じると「監督はチームの指揮、編成。GMはスカウティングから編成、組織の運営」と役割分担を語り、自身はオーナーとして「中長期的なこととして、例えば2軍球場をどこにするのか、などを考えていく」と話していた。
吉井監督は「(采配の)最終的な決断は監督だが」と前置きして、「話し合いながらチームを強くしていくのがチームの理想」と言う。それぞれの立場から意見を戦わせるのは大歓迎だという。
シーズン途中での監督就任を引き受けた理由
意外だったのは、三木谷オーナーのスポーツに対する考え方だった。「データ、戦略も大事」としつつ、「いちばん重要なのはメンタルだと思う。なにがなんでも勝つんだ、というメンタル」と訴えたのだ。
クールで一歩離れたところからチームを見ているイメージだったが、本当は熱い人のようだ。吉井監督は、それが異例のシーズン途中での監督就任を引き受けた理由だと話している。
楽天はセ・パ交流戦が6連敗スタートとなり、7戦目からキャプテン制を導入した。キャプテンに選ばれた鈴木大地は代打で登場し、一塁にヘッドスライディングする気迫を見せている。「ド根性のキャプテン制」の仕掛け人は、三木谷オーナーではないだろうか。
新しいことをすれば、組織は一度、壊れる。理想のチームが完成するまで、どれくらいの時間がかかるのか。非公開だが、吉井監督との契約は「中長期的」とのこと。毎年のように監督が代わる負のスパイラルは、これで断ち切られたのか…。
(飯山満/スポーツライター)

