競馬ファンならば「夏は牝馬」という格言をご存知だろう。暑熱対策が進んだ今、その言葉の価値は微妙になりつつあるが、頭の中に入れておいて損はない。
競馬にはセックスアローワンス(牡馬と牝馬の2キロの斤量差)があるのを忘れてはならない。牝馬が牡馬に交じって活躍できる大きな理由がここにあり、ギャンブルスポーツとしての面白さが潜んでいる。
6月21日(日)は、今年で第2回となるしらさぎS(GⅢ、阪神・芝1600メートル)が行われる。2年前までは「米子S」だったが、昨年から名称を変え、重賞に昇格した。
よって過去のデータはあまりアテにならないが、2019年から2021年の3年間は全て、牝馬が勝利している。2021年などは、1着から3着までを独占したほどだ。
今年は18頭のフルゲートで行われるが、牝馬の出走はスリールミニョンとタガノエルピーダの2頭のみ。ともに人気はほとんどないが、狙ってみる価値はある。前者は2024年の阪神JF5着で、後者は2023年の朝日杯FS3着と、GⅠレースでしっかり結果を出しているからだ。
前走はともにリステッド競走だったが、スリールミニョンは0秒1差の3着、タガノエルピーダはタイム差なしの2着と好走している。これを見ると、人気がないのが不思議に思える。
天気が崩れても「稍重」で勝っているので…
スリールミニョンで強調できるのは、前走がスローペースの中で折り合いがついていたこと。だからこそ、最後にしっかり脚を使えた。レースを使った方がいいタイプゆえ、状態は上がっている。スタートが安定しないのが問題だが、これさえクリアできれば面白い。騎乗する永島まなみは今年、成績が振るわないが、ここでいいところを見せて、下半期に繋げてほしい。
タガノエルピーダはどうか。半兄タガノトネール、タガノエスプレッソが重賞勝ちしている点を挙げたい。筋の通った血統なのだ。2000メートルでも勝ってはいるが、ベストは2勝しているマイルだろう。
前走でブリンカーを初めて装着してうまくいったが、今回もそこはしっかりチェックしたい。
土曜と日曜は天気が崩れそうだが、この馬は稍重で勝っているので問題ないだろう。惜しむらくは、主戦の団野大成が騎乗停止中であること。ここは、代役の亀田温心に頑張ってもらうしかない。
別定戦なのでともに55キロでの出走となるが、牡馬よりも斤量が軽い分、上位争いできるチャンスあり。しっかり押さえておきたい。
では、グッドラック!
(兜志郎/競馬ライター)

