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「発達障害は息子の説明書の一部」登録者14万人のシングルファザーが語る"グレーゾーン"との向き合い方

「発達障害は息子の説明書の一部」登録者14万人のシングルファザーが語る"グレーゾーン"との向き合い方

5歳の息子が生まれて初めてコーラを飲むショート動画が1900万回以上再生されるなど、シングルファザーYouTuberとして活躍するえむとしさん(40)。発信されるほっこりとした日常が好評で注目を集める中、2年前に東京から青森へ移住している。柔らかな空気感や華やかな数字だけではわからない、男親によるワンオペ育児のハードな現実と孤独、そして発達障害グレーゾーンといわれた息子との向き合い方とは?(前後編の前編)

「発達障害は、その子の説明書の一部」

現在小学3年生の息子・ようた君とふたり暮らしをしているシングルファザー・えむとしさん(40)。父と子の微笑ましい日常の様子を、YouTubeなどで発信している。チャンネル登録者数は約14万人、これまでに1300本弱のショート動画をアップしてきた。(※いずれも2026年6月時点)

ようた君が5歳のときに、初めてコカ・コーラを飲んだ動画は1982万回再生。最近も、目隠ししたふたりが皿の中のイチゴを探すゲームをする動画は1484万回再生されている。

えむとしさんが離婚をしたのは5年前。シングルファザーになると決意したときの心境を聞くと、

「僕自身も親が離婚をしていて。子どもとしての思いはありましたし、(心の)傷も受けているので“自分は絶対に離婚はしたくない”という気持ちはあったんですけども……。こうなったのはやはり、親の責任。男として“子どもを守る”という気持ちがいちばん強かったですね」

離婚後、当時3歳だったようた君について保育園の先生からADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)の可能性を指摘された。

「紙芝居をみんなが見ているときに、ひとりだけ全然違う方向を見たり、立ち上がったり。集団行動の中でちょっと落ち着きがないかもしれない、と。家庭内では僕と息子は1対1。誰かと比べることがあまりできない環境なので、そういったことを微塵も感じていませんでした。勇気をもって言ってくださった先生には本当に感謝しています」

1年半ほど検査を重ね、発達障害の特性はあるものの、いわゆるグレーゾーンにあたるとの説明を受けた。

「僕にとっては、発達障害というのはひとつの特性や性格だと思っていて。“障害”という言葉がつくので、人によっては引っ掛かりを覚えたり、拒否反応を示す方もいると思いますが、僕の中では“その子の説明書の一部”。言うならば“クラスでいちばん背が高い”みたいな感覚で捉えていて。息子が持つ特性を知ることができたと思っています」

とはいえ、えむとしさん自身、発達障害についての知識はなかった。専門書を読んだり、ネットでたくさん調べたという。

もちろん、躾として口うるさく言ってしまうときもある。

「社会生活上の必要ルールを丁寧に教えることはすごく大事なことだと思います。ただ性格をねじ曲げてしまうような伝え方や押さえ込みは絶対に避けたいという思いです」

「元気を与えられる側になりたい」YouTubeに込めた願い

そんなえむとしさん自身は20年のキャリアを重ねたパティシエ。都内の有名店に勤務していたが2年前、ようた君の小学校入学を前に青森県の上北地方に位置する東北町に移住した。

「都会にあのまま住んでいたら、子どもとの時間は今以上に増えなかっただろうし、仕事ばかりでストレスもどんどん溜まっていたのかなとは思います。もちろん、正解はわかりません。東京で暮らしていたほうが、もっと良かったのかもしれませんし(笑)。どの選択が正しかったかというより、選択した道を正解にすることが大事だと思っています」

えむとしさんが、ようた君とのほっこりライフを動画でアップするようになったのは、5年前。

「その当時、シングルファザーになって。仕事と育児の両立にすごく向き合い、そして壁にぶつかった時期でした。シングルファザーについて検索エンジンで調べる中で、YouTubeで同じ境遇の方が出てきて。その方たちを見て、元気をもらいました。そして、僕も元気を与える側になりたいなと思ったのがきっかけでした。息子との思い出を残すのと同時に、自分も挑戦したかったんです」

先述のコカ・コーラの動画は、ようた君にとっての“人生初”。日々の暮らしに手一杯であればあるほど、些細なことまでは覚えていられない。しかし、えむとしさんの動画には、日常に埋もれがちな大切な瞬間がたくさん収められている。

「人生初もそうですし、振り返ってみたらもうやらなくなったという“卒業”もあると思います。初めて言葉を話した瞬間やハイハイしていた時期、ひとりでご飯を食べられるようになったとき……成長していく中で当たり前になった一つ一つを形として残していけたら嬉しい。

息子が大きくなるにつれ、写真や動画がたくさん増えると見返すこともなくなってくるのかなとも思うので、YouTubeではサムネイルで一覧が見られるようにしています」

当初、3歳だったようた君は小学3年生に。ふたりでの動画は、いつまで続けていきたいと考えているのか。

「僕自身、SNSでの子どもの顔出しはどちらかというと、あまり賛成でもないんですね。息子には“YouTubeをいつまで続ける?”“顔を出して嫌な気持ちになってない?”ということをこまめに、ヒアリングしています。息子が“やりたくない”と言ったときが、やめ時だと思っているので。ただ、現時点では、むしろ出たいと言ってくれているので(笑)、続けている感じですね」

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