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「心にぽっかり穴があいてしまった」 3人の息子が巣立ったあとにシングルマザーを襲った虚脱感 “空の巣症候群”になりやすい人の特徴と対処法

「心にぽっかり穴があいてしまった」 3人の息子が巣立ったあとにシングルマザーを襲った虚脱感 “空の巣症候群”になりやすい人の特徴と対処法

高齢期に健康で幸せでいるためには…

では、実際に「空の巣症候群」に陥ってしまった場合、どう対処すべきなのか。

「新たなコミュニティに参加するなど『親としての自分』以外の役割を見つけることが大切になります。親として、子どもの成長をポジティブに受け止めて、区切りをつけつつ、これからの人生を再設計すること。そこで子どもや夫婦の関係性も新たに再構築していけるでしょう」

それが難しい場合、まずは健康的な食生活や睡眠リズム、身体づくりなどを心がけ、必要に応じて専門家の支援を受けることも大事だという。

また「空の巣症候群」は、ミッドライフクライシスと重なりやすいことから、男性にも生じうるという。

「若いときに思い描いていた40~50代の自分と比較して、『なんのために頑張ってきたのか』『これからの時間をどう使うべきなのか』苦悩しやすい時期です。その一方で、この時期の落ち込みはこれまでの人生を振り返り、これからの人生をどう生きるか、考え直すうえでとても重要になってきます」

高齢期に健康で幸せでいるためになにが重要なのか―。約80年かけてその事象を追ったハーバード大学の有名な研究では、『学歴』『収入』『容姿』などの項目が検討されたなか、最も重要なのが『温かいつながり』だという答えが導かれた。

「家庭を持つこと自体も減り、AIが人にとって代わるなど複雑な時代ですが、最終的に私たちに人生の意味をもたらし、支えてくれるのは人とのつながりだということが繰り返し報告されています」

子どもが巣立った瞬間からはじまるのは、親ではない自分の人生。大切なのは、その時間を誰と過ごし、どんな形で彩っていくか―。いま一度、人との関係性やつながりを振り返ってみてはどうだろうか。

#2へ続く

取材・文/木下未希 

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