タレント・あの(年齢非公表)の冠番組『あのちゃんねる』(テレビ朝日系)が、6月15日の放送をもって終了が発表されるや否や、その情報はキー局や準キー局、ネット系列局内に駆け巡った。そればかりか、テレ朝のみならず日本テレビやTBS、フジテレビ、テレビ東京などが、制作関係者を対象にしたコンプライアンス研修を開催する事態にまで発展しているのだ。
すべての始まりは5月18日の放送で、あのが「嫌いな芸能人」として鈴木紗理奈の名前を挙げ、そのままオンエアされた一件だ。
「許可を得ずに、一方的に名前を出された紗理奈がSNSで不快感を表明したんです。あの自身も番組側への不信感を露わにした。最終的にテレ朝は謝罪に追い込まれた挙げ句、打ち切りという最悪の事態を迎えたんです」(放送作家)
この騒動に度肝を抜かれたのが、長年に渡ってバラエティー番組を担当してきた局のプロデューサーやディレクターの面々だ。
「タレントに対し、他の芸能人の好き嫌いを言わせるのは高視聴率が見込める鉄板企画です。芸能人同士ならいいだろうという考えのもと、長い間に育まれてきた演出といってもいいでしょう」(民放局幹部)
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各局がスタッフを緊急招集、いじめ問題への波及を警戒
ところが、今後は"好き嫌いを暴露させる"演出が封印されかねないという。
「いじめを増長させかねないからです。少し前にはABEMAの番組内で、芸人の中山功太が先輩芸人からのいじめ被害を告白し、犯人捜しが始まった。当時、番組内では名前は伏せられていたが、その後、『サバンナ』の高橋茂雄が自分から名乗り出て謝罪をする事態になった」(制作会社プロデューサー)
「あのと高橋の件は基本、同じ構図。一歩、対応を誤れば、スポンサー問題にまで波及する。最悪、数千万円から億単位の損失になってしまうわけです」(同)
その結果、各局は制作に携わるスタッフらを緊急招集し研修を実施するという。
「バラエティー番組のスタッフ、いじめをテーマにしそうなドラマのプロデューサーや演出家らに対し申し渡しを行った。局としては事前に引導を渡したわけです」(民放編成関係者)
こうした危機的状況に真剣に向き合っているのが日テレだ。ダウンタウンの冠番組『絶対笑ってはいけないSP』を、似た理由でお蔵入りにしているからだ。
「あの番組は、笑った者がケツバットという分かりやすい内容。だが、それがいじめを増長させると問題視されていた。番組が再開されないのは性加害疑惑が報じられたダウンタウン松本の影響だけではありません。根底には深い問題があったわけです」(番組関係者)
長年テレビが育んできた演出が、転換点を迎えている。
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