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背筋&佐藤直子、西山将貴監督『インビジブルハーフ』に衝撃「すごく新鮮」「新しいホラー映画が生まれた」

背筋&佐藤直子、西山将貴監督『インビジブルハーフ』に衝撃「すごく新鮮」「新しいホラー映画が生まれた」

西山将貴監督による長編デビュー作『インビジブルハーフ』(7月31日公開)の先行特別上映イベントが6月22日にヒューマントラストシネマで行われ、西山監督が登壇。西山監督と共にホラーユニット「バミューダ3」を結成し、10万人以上を動員した体感型ホラーイベント「1999展 ―存在しないあの日の記憶―」を共同企画した作家の背筋、脚本・ゲームクリエイターの佐藤直子も出席し、本作の新しさ、怖さについてトークを繰り広げた。

本作の主人公は、ミックスルーツを持つ高校生のエレナ。転校先のクラスに馴染めずにいた彼女の前にある日、“スマホに触れている時だけ見える透明な怪物”が現れ、唯一エレナを信じてくれたアカリと共に正体不明の恐怖に立ち向かう姿を描く。

長編デビューを果たした西山将貴監督
長編デビューを果たした西山将貴監督

西山監督は14歳より地元・愛媛で自主映画制作を開始し、コロナ禍に制作した『スマホラー!』が国内外で広く注目を集め、ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2021でバーティカルシアター部門最優秀作品賞。第25回ロサンゼルス国際短編映画祭にて、縦型映像作品として史上初のノミネートを成し遂げるなど、10代のころから世界を舞台に活躍してきた。ついに長編デビューを果たしたが、本作の制作には、6年の歳月がかかっているという。

西山監督は「最初にアイデアを書き始めたのは、19歳の時。完成したのは、25歳。ミックスルーツを題材にしたホラー映画を日本で作りたいと思った」と、本作のスタート地点を回顧。「愛媛で、ミックスルーツに女の子の知り合いがいて。すごく明るくて、元気で、みんなから羨ましがられるような子だった。その子がふとした瞬間に、『自分はどこにも居場所がないような感じがする』『日本にも外国にも、自分の居場所がない気がする』と言っていて。その時の表情が忘れられない。あの表情の意味が、知りたかった」とミックスルーツについて調べながら映画に取り組み、「それを皆さんにエンタメという形で伝えることができたらいいなと、今回ホラー映画というジャンルで描こうと思いました」と本作に込めた想いを明かした。

脚本・ゲームクリエイターの佐藤直子
脚本・ゲームクリエイターの佐藤直子

「近畿地方のある場所について」「口に関するアンケート」などで知られる作家の背筋と、ゲーム「SIREN」などを手掛けてきた佐藤は、「ホラーという枠を超えた、ニュージャンルが誕生した」というコメントを本作に寄せている。

西山監督と出会ったころに、すでに本作のアイデアについて話を聞いたというのが、佐藤だ。「うっすらと概要は聞いていた。『決して、佐藤さんに脚本は見せません』と言われた。ずっと我慢していました」と佐藤が笑うと、西山監督は「佐藤さんにアイデアをもらうと、そっちのほうがいいと思っちゃう。あえて、佐藤さんにはお見せしなかった」と苦笑い。それほど強い意気込みで本作に臨んだ西山監督は、「Jホラーの影響も受けていますが、洋画の影響もものすごく受けている。ここ10年くらいの洋画ホラー作品では、社会を描きつつ、エンタテインメントと両立できるようなチャレンジをしている。“怖い”という気持ちになりたくてホラー映画を観にきたのに、いつの間にか社会に触れる。その順番でいろいろなことを知れるのは、すごくいい体験だなと思った。自分のトレードマークとなる作品には、自分のチャレンジしたいものをすべて詰め込みたいと思っていました」と説明した。

作家の背筋、『インビジブルハーフ』を絶賛
作家の背筋、『インビジブルハーフ』を絶賛

背筋は、「邦画なんですが、醸す雰囲気がちょっと海外チック」と本作を目にした印象を吐露。加えて「単純に憧れとして海外のものを真似ただけではない、独自性がある。湿度の高いストーリーラインみたいなものと相まって、観たことのない味になっている。それがいろいろな箇所で感じられた。新鮮だった」と刺激的な時間を過ごした様子。「すごくおもしろかった。衝撃や熱量、自分のなかにはない、映像的な価値観みたいなものを植え付けていただいた作品」と熱を込めた。

笑顔でトーク!
笑顔でトーク!

佐藤は「Jホラーという文脈から断絶した、新しいホラー映画が生まれたなと思っている」と分析。「一番近しいと感じたのは、『イット・フォローズ』」とタイトルをあげつつ、「(アメリカの配給・製作会社)A24やそれ以降の海外ホラーの持っている感覚が、西山監督のなかに生まれている」と驚きと共に語った。ユニットを通して西山監督の素顔にも触れている2人だが、背筋は「食卓のシーンで、家のなかなのに主人公だけ割り箸を使っている。そこは西山監督の偏屈さ、こだわりを感じました」とにっこり。西山監督が「僕を反映した部分。見透かされているようで怖い」と目尻を下げるなか、佐藤も「クリエイティブへのこだわりが、画面から出てきている。西山作品だなと思いました」と惚れ惚れとしつつ、「音響もトリッキーなことをやっている」と称えていた。

【写真を見る】ホラーユニット「バミューダ3」が登場。トークイベントの様子
【写真を見る】ホラーユニット「バミューダ3」が登場。トークイベントの様子

こだわりを絶賛された西山監督が、「大きなテーマは、“視線”。見られる怖さを、視点として描いています。視点を変えていくことで、いろいろな見方ができる映画」と解説する場面もあった。「何度観ていただいても、新しい発見があるのではないかなと。6年という期間を通して、細部までこだわってやろうと思っていました」と制作期間を振り返りながら、「自主制作のメリットは締切がないこと。粘ってつくった。挑戦したなかに、いろいろな細部へのこだわり。発見できるものを詰め込んでいます。小道具まで注目していただければうれしいです」と呼びかけていた。

西山監督のこだわりに惚れ惚れ
西山監督のこだわりに惚れ惚れ

創作に向かうにあたって、ホラーユニット「バミューダ3」としての活動から多大なる影響を受けているという西山監督。「お2人を尊敬している。そのお2人を間近で見て、無料で勉強させていただいているような気持ち。『インビジブルハーフ』は、ユニット結成前に撮影が終わっていた。今後の作品には、ユニットの経験が反映されてくると思う」と感激しきり。最後には背筋が「恐怖など、それのみではない感情を想起させてくれる映画」とアピール。佐藤は「映画学校にも行かず、助監督として現場に入っていたわけではなく、“ナチュラルボーン映画監督”として生きる。謎生命体」と西山監督について表現して会場の笑いを誘いつつ、「今日はその謎生命体の、ひとつの門出。“純度、100パーセント将貴”の映画を観てください」と門出を祝福した。西山監督は「“人生をかけてつくった”と思えるくらい、頑張ってつくった映画」と改めて感慨を口にして、大きな拍手を浴びていた。

取材・文/成田おり枝
配信元: MOVIE WALKER PRESS

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