沖縄初の直系店となる「ラーメン二郎沖縄店」が6月21日、那覇市壺屋に開店した。全国のジロリアンが注目する“日本最南端の二郎”には、オープン初日から多くの客が詰めかけた。濃厚な一杯が、国際通り周辺の食文化に新たな熱気をもたらしそうだ。
沖縄初上陸、ジロリアンが待ち望んだ“直系二郎”
ラーメン二郎の直系店が沖縄に初出店したことは、全国のラーメン二郎の熱狂的なファン“ジロリアン”にとって大きな意味を持つ。
沖縄店の開店を前日夜から注視し、記念すべき最初の一般客となったフードジャーナリストのクドウ氏も感慨深いと話す。
「すでにラーメン二郎は北海道、本州、九州に店舗があります。今回、沖縄に出店したということは、四国を除く主要地方に直系店がある状態になったといえます。
ラーメン二郎を食べたいと思ったとき、全国で多くの人たちが食べに行ける。かつては東京にしかなかっただけに、本当にいい時代になりました」(クドウ氏、以下同)
以前は、東京や関東近辺でのみ食べることができた希少なラーメン二郎だが、2013年3月に札幌、2014年9月に会津若松、2015年11月に新潟にそれぞれ出店した際にも大きな話題となったという。
「2017年4月に京都に出店したあたりから『もしかすると、もっと西にもラーメン二郎ができるかも』という期待が高まりました。そして2024年12月に福岡にラーメン二郎朝倉街道駅前店が開店し、その後に名古屋大曽根店も出店。流れとして、いつ沖縄に出店してもおかしくない状況でした」
では、なぜこのタイミングで沖縄への出店が実現したのだろうか。観光地としての集客力に加え、移住者や若者層の増加、沖縄におけるラーメン文化の広がりなども背景にあるのか。クドウ氏は、沖縄にはもともとラーメン二郎を受け入れる土壌があったとみる。
「出店までのバックストーリーはわかりませんが、ラーメン二郎の沖縄出店は必然だと考えます。そもそも沖縄では、二郎系と呼ばれているラーメン店『PORK MAN』や『麺屋雉虎』などが人気ですし、二郎系沖縄そばも人気です。
つまり沖縄には『これまでは二郎がないから行けなかっただけで、あれば行く』というファンが多い。潜在的なラーメン二郎ファンが多いので、それをカバーする意味でもラーメン二郎沖縄店の出店は必然といえます」
開店初日から行列ができたラーメン二郎沖縄店は、県内のラーメンファンにとどまらず、県外のジロリアンにとっても新たな“遠征先”となりそうだ。
観光地・沖縄に生まれた新たな“ジロリアンの遠征先”
「ラーメン二郎が沖縄に行くきっかけとなる人は増えるでしょう。『なぜ東京にも店舗があるのに沖縄でわざわざ食べるの?』と思う方もいるかと思いますが、違います。
ラーメン二郎はベースとなるテイストは同じですが、仕上がりに個性が生まれるのです。スープ、麺、具、すべてにおいて個性が光るラーメンなのです。
当然ながら、ラーメン二郎沖縄店だけの味があるわけで、二郎好きにとって、それはもう、激レアともいえる味であり、体験といえます。正直、ラーメン二郎沖縄店はジャングリア沖縄にも負けない話題性と観光誘因のチカラを持っていると思っています」
クドウ氏自身も今回のオープンに合わせて沖縄を訪れており、ラーメン二郎沖縄店だけでなく、周辺の飲食店にも足を運んで食べ歩きを楽しんだという。
実際に「ラーメン二郎沖縄店で食べつつ沖縄観光もする」という動きはすでに見られており、同店が沖縄観光の目的地のひとつとして組み込まれ始めていることがうかがえる。そうした来訪は、周辺店舗や地域経済にも波及していくかもしれない。
「ラーメン二郎沖縄店で食べたあと、沖縄そばを食べに行く人、沖縄ならではのステーキや沖縄料理を食べに行く人が実際にいます。
私が出向いた二郎の近隣にあるオーガニック系ヴィーガンカフェの店員さんたちは『たくさんの人が来てくれると嬉しい』とラーメン二郎沖縄店の出店を歓迎していましたし、地域の活性化を期待している住民も少なくないと思います」
一方で、注目店の誕生はにぎわいを生むだけでなく、行列や交通、駐車場、住民生活への影響といった課題も伴う。近隣飲食店への波及効果が期待されるが、地域との共存をどう図っていくかも重要なポイントになりそうだ。
「インターネット上で『ニオイは大丈夫なのか』と心配する声が出ていますが、私が知る限りでは問題ないと思っています。
私はラーメン二郎沖縄店にオープン4日前に行ったのですが、すでに100メートルほど離れた場所でも独特ないい香りが漂っていて、『沖縄にいるのにラーメン二郎の香りがする』と不思議な気持ちになりました。
もちろん私にとってはいい香りですが、念のためオーガニックカフェの店員さんに聞いたところ、香りはまったく気にしていませんでしたね」
ラーメン二郎沖縄店には専用駐車場はないものの、店舗の目の前や周辺にはコインパーキングが点在しており、駐車場所そのものは確保しやすい環境にある。
一方で、人気店である以上、路上駐車や無断駐車といった一部来店客のマナー違反が起きる可能性は否定できない。
これは沖縄店に限った話ではなく、どの店舗でも起こり得る課題であり、地域と共存していくうえで来店客一人ひとりの意識が問われることになりそうだ。

