並んでいた名前と、抜け落ちた一つ
昇進の内示が出たばかりで、部署の空気はどこか華やいでいました。彼が全員宛に送ったお祝いのメールには、同じ時期に昇進した二人の名前が丁寧に書かれていました。
「これからの活躍を期待しています」と、温かい言葉が添えられています。私は画面を上から下まで何度もたどりました。けれど、どこにも私の名前だけがありません。同じ日に昇進したはずなのに、私への一言だけが、すっぽりと抜け落ちていたのです。
気のせいだと思いたかった
きっと打ち忘れただけ。そう思おうとしました。けれど相手が彼だからこそ、その抜けがどうしても引っかかってしまうのです。廊下ですれ違ったとき、彼はいつも通り軽く会釈をしてくれました。その自然さが、かえって私を不安にさせます。
私のことだけ、わざと書かなかったのだろうか。何か嫌われるようなことをしただろうか。考えれば考えるほど、答えのない問いばかりが増えていきました。お祝いされている同期を見るたび、笑顔を作るのが少しだけ難しくなっていきました。
