
「映画館に行こう!」実行委員会が、映画館に年間動員2億人を目指す取り組みの一環として実施した「第一回 映画業界若手戦略会議」で選出された本企画。指先ひとつで情報が入る時代に、あえて作品を知らずに劇場へ行く「偶然の出会い」を通して、特別なワクワク感を提案する一日限りの特別上映イベントだ。なにが上映されるかは幕が上がるまでのお楽しみとなっており、ネタバレや先入観、評価も一切ない真っさらな状態で、一生忘れられない映画体験を味わえる。
ついに来週に開催を控えるなか解禁となった本鼎談は、それぞれの立場を飛び越え「一人の熱狂的な映画ファン」として、アンバサダーの二宮、本企画を主催する「映画館に行こう!」実行委員会の松岡宏泰(東宝株式会社代表取締役社長/一般社団法人映画館に行こう実行委員会代表理事)、佐々木伸一(全国興行生活衛生同業組合連合会会長代理/一般社団法人映画館に行こう実行委員会事務局長)が参加。映画館の魅力を本音で語り合う貴重な機会となった。
佐々木は本企画について「配給会社も映画館の人も一緒になって、映画業界若手戦略会議のチームから提案頂いたのが今回の『シークレットシネマ』です。最初から(企画を立案した)チームのみんなも我々も『二宮さんにやってもらいたい、二宮さん以外だったらやめよう!』というくらいの強い熱意がありました」と、次世代の若き映画人たちの純粋な熱意がきっかけでアンバサダーが決定したことを明かす。実際に二宮は業界で活躍する若手メンバーたちの“映画館の魅力をより広げていきたい”という熱意に共鳴し、二つ返事で快諾。松岡もまた「いまはSNSの時代で最初から情報をすべて分かったうえで映画を選ぶのが当たり前になっていますが、そうではなく“その人を信頼して、どんな映画か分からないけど観てみる”という仕組みがすごくおもしろい。映画を大好きな方が選ぶこと自体が魅力的な試みですし、結果としてすばらしい方にアンバサダーをお願いすることができました」と本企画の画期的なアプローチに自信をのぞかせる。
イベントを楽しみにする観客のなかでも話題となっているのが、やはり上映作品。選定を託された二宮は「アンバサダー就任を快諾したものの、『映画を選んでほしい』と言われると、やっぱりプレッシャーでした。頭の中や趣味嗜好を覗き見られるわけですから。でも、万人受けというよりは“この人が面白いと思っているのはこういうものなんだ”という部分も含めて楽しんでもらえたらと思い、だったらちょっと自分の好みに偏っていこうと思いました(笑)」と作品選定の裏話を告白。「選んだ映画で人が見える」と語る通り、上映作品を通して二宮のキャラクターが新たに垣間見えるのも本イベントならではの大きな魅力だ。さらに「不特定多数の人が1つの箱に収まってなにが上映されるか分からないものを一緒に観るって、結構“実験”に近いじゃないですか。だからこそただ良い話というだけでなく、映画館でみんなで没入して、同じ時間軸で体験できるものがいいなと。僕自身がそういう映画が好きなので、それがベストだなと思って選びました」と、劇場体験を意識した選定理由を明かした。
さらに話題は、それぞれの映画体験の原点へと広がっていく。松岡は、自身が映画ビジネスを志すキッカケとなった1982年の『E.T.』公開当時の思い出を回顧し、「公開前夜から渋谷パンテオン劇場に徹夜で並んだんです。大画面で観たあの『E.T.』の衝撃が、自分にとってエンタテインメントビジネスのすばらしさを知った最初の体験でした」と振り返る。佐々木もまた「現代はなんでも情報があふれていて、どうしても自分が『分かっている安心なもの』しか観ない思考になりがちですが、本当はなにも知らない真っ新な状態から観られることこそが、一番ハッピーなはずなんです」と、あえて情報を伏せる本企画の意義を強調した。
劇場の価値について、松岡は「映画館は、全員が外界から遮断された不自由ななかで観るからこそ『非日常』を体験できる。いつもと違った空間で一緒に作品を観る時に、グッと盛り上がったり、息を呑むような瞬間が生まれる。それは絶対に1人ではできないことです」と話す。二宮も深く共感し、「映画館って、これまでに1回も一緒にご飯を食べたこともない、喋ったこともないような全然知らない人たちが隣同士に座っているのに、笑ったり泣いたりする場所やタイミングは一緒なんですよね」と熱弁。「作り手の立場からしても、客席の生の反応にはものすごく感動します」と、映画を届ける側としての視点も交えながら、劇場ならではの熱量への感動を語った。
これまで数々の作品に出演し、国内外問わず名だたる俳優や監督と共演してきた二宮が、本気で選んだ推し映画は一体なになのか?映画館へ行く本来の喜びとサプライズの興奮を思い出させてくれる、特別な一夜に期待が高まる。
文/鈴木レイヤ
