群馬県高崎市の駐車場で24日未明、同市在住の吉田千夏さん(28)が首を複数箇所刺され、死亡する事件が発生した。県警は殺人事件として捜査を開始したが、一緒にいたとみられる30代の男性はその後、逃走先の埼玉県内で単独事故を起こし、死亡した。男性を自社で雇用していた実の兄が、「集英社オンライン」の取材に胸中を明かした。
「まさか自分の弟が関与しているとは…」
24日午前3時15分ごろ、群馬県高崎市にあるJR高崎駅付近の駐車場で、「女性が倒れている」と通行人から110番通報が寄せられた。警察官が駆けつけると、首付近に複数の刺し傷がある20代女性が、血を流して意識不明の状態で倒れており、搬送先の病院で死亡が確認された。
「県警は殺人事件として捜査を開始。吉田さんと一緒にいたとみられる同県内在住の30代の会社員男性が事情を知っているとみて、行方を追っていました。ところが男性はその後、埼玉県内で単独の交通事故を起こし、死亡したのです」(社会部記者)
男性は10歳年上の兄が代表を務める県内の建築会社で働いていた。男性の兄が「集英社オンライン」の取材に応じ、事件当日の様子や、人となり、身元確認に至るまでの経緯を振り返った。
「事件の日の朝、約束の8時半になっても現場に彼が姿を見せず、お客様から『まだ来ない』とお叱りの電話が入りました。無断欠勤など滅多にする人間ではなかったので、何かのトラブルに巻き込まれたのかと心配になり、事務員に彼の自宅へ様子を見に行かせたのです。
すると、『家の前に警察官が集まっている』と報告を受けました。私が電話を代わって事情を尋ねても、『お答えできない』『ニュースを見てほしい。
自分たちは下っ端なので何も言えないが、テレビの報道に絡んでいるかもしれない』と言葉を濁されるばかりでした。実はその日の朝7時ごろ、テレビのニュースで今回の事件の第一報を見ていたのですが、まさか自分の弟が関与しているとは夢にも思いませんでした。
その後、警察に『死んでいるのか、生きているのか』と問いただしても教えてもらえず、昼過ぎになって埼玉県警から『事故の遺体の所持品から免許証が出てきた。弟さんの可能性が高いので身元の確認に来てほしい』と連絡を受けました。最終的に警察署へ行き、写真で身元を確認したのが午後3時半ごろのことです」
「自分がやれることを、なぜ他の人は先を読んで動けないのか』と周囲に不満
職場での男性の勤務態度はどうだったのか。
「約10年間ここで働き続けていましたが、社内での勤務態度は極めて真面目そのもので、給料の前借りなどを頼んでくることもありませんでした。
現場の管理や段取りを任せていましたが、身内とはいえ彼は公私を完全に分けていたため、業務中は私にも常に敬語で接しており、周囲も兄弟だと気づかないほどビジネスライクな関係性でした。
会社の飲み会や社員旅行など、業務外の付き合いには一切参加せず、定時になればすぐに帰る。ただし、仕事への責任感が強いあまりか、『自分がやれることを、なぜ他の人はできないのか』と周囲に不満を抱きやすい面もありました。
『真面目に行動しない人』『曲がったこと』を極端に嫌う性格で、中学時代には卓球部でふざけている同級生に激高し、手を出してしまったこともあったそうです」
仕事を続ける中で、性格にも変化が見られたという。
「最初はあまり協調性がないタイプでしたが、この4、5年で多少は周りに合わせるようになり、変化は見られました。根本的にはすごく優しい男でした。結婚の話や彼女についての相談は、私には一切ありませんでした。
もう10年ほど前に、『早くお義兄さんって呼ばれたいな』と弟に冗談めかして言ったことはありましたが、当時は交際相手もおらず、それ以降、女性の話はまったく出ませんでした。周りの従業員も聞いていないはずです」

