今季のスーパーフォーミュラでランキング2番手につけ、逆転での王者獲得を狙う岩佐歩夢(TEAM MUGEN)は、第10戦の決勝レースが濃霧で中止になったことを受け、代替開催の実現を期待するとともに、そのレースの舞台が富士でも鈴鹿でも、どちらになっても構わないと語った。
富士スピードウェイでのスーパーフォーミュラ第9戦・第10戦は、2日連続で悪天候に見舞われた。いずれも予選を行なうことはできたものの、11日の第9戦の決勝レースは降雨のため各車が巻き上げる水煙と霧の影響で、セーフティカー先導走行のみでレース終了。12日の第10戦決勝は、濃霧に見舞われたことでスタートを切ることすらできなかった。
岩佐は第9戦の予選で最速タイムをマークした後にクラッシュし、赤旗中断の原因となったことでタイム抹消。決勝までにマシンは修復されたものの、前述の通りSC先導が解除されないままレースが終わってしまったため、ポジションを取り戻すことは叶わなかった。第10戦も予選4番手から上位進出を狙ったが、レース自体が行なわれなかったため、それも不可能だった。
岩佐曰く、予選でのフィーリングはかなり良かったという。
「かなり良かったです。メカニックのみなさんがすごく良い仕事をしてくれました。ドライバーの感覚からすれば、(土曜日の予選でダメージを負ったにもかかわらず)ほぼ完璧に直っていました」
そう岩佐は言う。
「チームとしては、ファクトリーから持ってきた時の状態と比べると、クオリティは落ちてしまうという話でした。でも僕としては十分に直っていたと思います。だからこそ、自信を持って攻めていくことができました」
岩佐は予選Q1ではA組に振り分けられていた。その後Q1のB組の走行を経てQ2に挑むことになったわけだが、その間にコースコンディションは大きく変わった。A組の走行開始時にはコースの各所にウエットパッチ(濡れた箇所)が残っていたが、それが走行を重ねるに連れ、どんどん乾いていったのだ。そういう意味では、B組出走ドライバーよりも当然不利である。しかし岩佐は、そんな状況でも自信を持って攻めていくことができたと言う。
「Q1からQ2にかけてコンディションが大きく変わる中でも、自信を持って飛び込んでいくことができました。とはいえ、あれだけコンディションが変わると自分のドライビングでアジャストしなければいけない部分も多く、詰めきれなかった部分もあります。それでもコンマ1秒ちょっとの差につけることができました」
「だからパフォーマンスとしては、本当にトップクラスのポテンシャルがあったので、そこはすごくポジティブだと思います」
残るは鈴鹿での最終ラウンド2連戦。場合によっては、中止となった第10戦の代替開催が組まれる可能性もあるが、もっとパフォーマンスを上げ、逆転王者に向けて準備を進めていくと岩佐は語った。
「僕らはまだまだ上げていける余地があると思います。最終戦に向けて、まずはしっかりと準備していくことが重要になってくると思います」
岩佐はそう語った。
「チャンピオンシップに関しては、僕はまだ追う立場です。とにかく攻めて、最終戦まで戦い抜くことに集中したいです」
「どちらかというと、(代替戦を)やってもらった方が、追い上げるチャンスが増えるわけですから……僕としてはレースが多い方がいいです」
もし代替開催が組まれることになった場合、その舞台が富士スピードウェイになっても、鈴鹿サーキットになっても構わないと、岩佐は語る。
「今週のスピードからすれば、どちらになっても大丈夫です。自分たちのフィーリングとしては、(代替戦が)鈴鹿になった方が若干ですが良いかなとは思いますけどね」
鈴鹿は高速コーナーの連続であり、体力的には厳しいサーキットである。代替戦が鈴鹿で組まれ、週末に3レース戦うということになれば、体力的にはかなり過酷になるだろうという声も挙がっている。しかし岩佐は、まったく問題ないはずだと語る。
「おそらくタフにはなると思いますけど、いいんじゃないかと思います」
そう岩佐は言う。
「レースを重ねていくと、流れも大事になってきます。そういうリアクションというか、その場その場での即興というのも大事になってきます。そういうトータルパフォーマンス……速さと強さだけではない、チームワークの勝負というところを、逆にお見せできる状況になるんじゃないかと思うので、面白いと思いますね」
岩佐はちょうどコロナ禍の頃に、FIA F3に参戦していた。その当時はコロナ禍ということもあり、各週末に3レースが開催されていた。それは体力的には問題なかったという岩佐だが、スーパーフォーミュラでの複数レース制とは、大きく異なると言う。
「コロナ禍の時にF3は各週末に3レースやっていましたし、体力的には余裕でした」
「でもスーパーフォーミュラとは、大きく違うところがあります。F2もそうですが、フリー走行を走って、予選があって、その後レース、レースという流れになることです。一旦レースを戦ったら、予選に戻らないんですよね」
「スーパーフォーミュラが2大会制になってバタバタするのは、レースが終わるとまた予選になるというところがあると思います。そうなると色々な変更もありますし、考えたり時間をかけなければいけない部分も出てきます」
「スーパーフォーミュラの方が、(最初のレースでセッティングを失敗しても)修正するチャンスはあると思います。とはいえ、土曜日の予選・決勝で良ければ、日曜日も大体似たような傾向にはなると思いますけどね」

