スーパーフォーミュラ第10戦富士で予選2番手を獲得したイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)。ルーキーイヤーでの初勝利も狙える好位置ではあったが、決勝は濃霧でキャンセルになり、優勝はおあずけになった。
ただ、日系ブラジル人で流暢な日本語と日本人的な生真面目なメンタリティを持ち合わせるフラガは、いつも通り冷静な見方を崩さなかった。彼は目の前の勝てるチャンスを逸したことよりも、今後に向けた貴重な走行機会を失ったことの方を残念がっていた。
「マシンに関する実験という意味で、ロングランもまだしていなかったし、(最終大会)鈴鹿の前に見ておきたいところも色々あったし……」
「なんというか、結果だけじゃないんですよね。これからのことを考えると、貴重な走行時間がなくなるのは、やっぱりちょっと辛いですね」
「もちろん結果にもこだわっていますが、昨日の自分よりも明日の自分が常にステップアップしているように……というところを目指しています。大事なことを1個ずつしっかりやっていくのがすごく重要だと思います」
そう語ったフラガ。次に控えるは鈴鹿での最終ラウンドだが、「中企(NAKAJIMA RACING)のクルマは冬の鈴鹿で速いイメージがありますし、今回パフォーマンスアップできたところを次のレースでうまく使えるようにできたらいいですね」と語る。
また、今後は今回中止となった代替戦が開催される可能性もある。それが実現するとなれば、その開催地は富士か、鈴鹿か……現実的には最終大会が行なわれる鈴鹿に入り込む線が濃厚ではないかという見方も強い。
今後に向けてしっかり走行を重ねたいフラガは、「とにかく(代替で)レースができればいいなと。富士でも鈴鹿でもいいので、2位からスタートさせてほしいです(笑)」と語った。

