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「新日本プロレスは原点に戻るべき」蝶野正洋が語るオーナー交代と“ストロングスタイル回帰論”【蝶野正洋の黒の履歴書】

「新日本プロレスは原点に戻るべき」蝶野正洋が語るオーナー交代と“ストロングスタイル回帰論”【蝶野正洋の黒の履歴書】

蝶野正洋(C)週刊実話Web

株式会社ブシロードが、所有していた新日本プロレスの全株式をテレビ朝日とサイバーエージェントに譲渡することを発表。新日本プロレスのオーナー会社が14年ぶりに交代することとなった。

出資比率はそれぞれ46・3%ずつで、テレビ朝日が新日本プロレスを連結子会社とし、サイバーエージェントは持ち分法適用会社として共同で経営を支援するとされている。

テレビ朝日は、新日本プロレス旗揚げ当初から出資している大株主で、俺が新日本プロレスに入ったときは、名目上、テレビ朝日と契約している。所属としてはずっと新日本プロレスだけど、内部の契約はいくつかの会社を渡り歩いて、その都度、契約の中身が変わっていったんだよ。

今回、ブシロードの木谷社長がテレビ朝日に株式譲渡することを「大政奉還」と表現した。そして「新日本プロレスリングが今後さらにグローバルで飛躍し、黄金期を続けていくためには、これまでに蓄積された映像資産の最大活用と、強力な配信プラットフォームを軸とした多角的な収益化ビジネスへの進化が不可欠です」ともコメントしている。この「映像資産の最大活用」というのが肝心なんだけど、事態はかなり複雑なんだよね。

テレビ朝日は地上波で新日本プロレスの中継番組『ワールドプロレスリング』を制作・放送している。

そしてブシロード体制になった2014年には、独自の動画配信サービス『新日本プロレスワールド』が立ち上がり、中継番組や過去のアーカイブ動画も含めて配信を開始した。

蝶野正洋の黒の履歴書】アーカイブ

WWEモデル追随で失われた“新日本プロレスらしさ”

一方、テレビ朝日はサイバーエージェントと組んで、ネットテレビ局「AbemaTV」(現在は「ABEMA」)を2016年に立ち上げ、ここでも新日本プロレスの動画が視聴できるようになった。要するに新日本プロレスというコンテンツを放送・配信をするメディアが増加して、それぞれの思惑や利益配分が難しくなったんだよ。

ブシロードは「新日本プロレスワールド」を収益の軸にしたかったと思うんだけど、映像の権利はテレビ朝日が持っているから100%の利益を得ることができない。

プロレスを興行収入から映像配信を中心にして、キャラクタービジネスを展開していくというのは、アメリカのWWEが展開しているビジネスモデル。新日本プロレスもそれを目指したんだと思うけど、その分、分かりやすい試合が求められて、試合スタイルも徐々に変化していった。それで昔からの新日本ファンが離れてしまったんだよ。

俺はアメリカの真似をするのではなく、新日本プロレスらしいストロングスタイルを磨いて、まずはアジアに進出して足固めをする方がいいんじゃないかって、20年前から言い続けているんだけどね。

だから、ここで原点回帰というか、もう一度、新しく作り変えるぐらいのことをやるべきなんだけど、新日本プロレスの棚橋社長は指針が見えないというか、何を考えているのかいまいち分からないんだよ(笑)。

テレビ朝日とサイバーエージェントも決して一枚岩ではないようだけど、今は目先の視聴率やアクセス数を競い合ってもしょうがない。ここで権利関係や役割を整理して、それぞれの得意分野をきっちり分けてやっていくべきだね。

「週刊実話」7月2・9日号より

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)
1963年シアトル生まれ。84年に新日本プロレス入団。「nWo JAPAN」を率いるなど“黒のカリスマ”として活躍し、2010年に退団。現在はプロレス関係の他に、テレビやイベントに出演するタレント活動、「救急救命」「地域防災」などの啓発活動にも力を入れる。
配信元: 週刊実話WEB

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