【モデルプレス=2026/06/29】ミュージカル『愛の不時着』日本人キャスト版で主役リ・ジョンヒョクを演じる三山凌輝(みやま・りょうき/27)。共演者との裏話・現場でのコミュニケーションから見えてきたのは、「人生って死からの逆算なんだ」と気づいた中学時代から積み上げてきた彼のブレない生き方だった。【インタビューVol.2】
◆ミュージカル「愛の不時着」日本人キャスト版が上演
「愛の不時着」は、パラグライダー飛行中の事故で北朝鮮に不時着してしまった韓国の財閥令嬢ユン・セリと朝鮮人民軍軍人のリ・ジョンヒョクの国境を超えたラブストーリー。2019年12月から韓国で放送開始後、世界中で注目された。2022年9月に韓国にてミュージカル化され、多くの声を受け2024年2月に日本初上陸。実力派韓国人キャストの歌と演技が話題となり、異例の速さで同年7月に再演。2025年12月には新たな韓国人キャストで大阪で上演された。
2024年末には宝塚歌劇団でも公演も行われ、「愛の不時着」は6年以上たった今なお根強い人気を博している。今回はミュージカル『愛の不時着』日本人キャスト版として、7月12日~26日に東京・THEATER MILANO-Zaにて、7月31日~8月2日に大阪・東京建物Brillia HALL箕面大ホールにて初上演。リ・ジョンヒョク役を三山、ユン・セリ役は花乃まりあ、韓国の若き実業家ク・スンジュン役をn.SSignのKAZUTA、ジョンヒョクの婚約者ソ・ダン役を中村麗乃が演じる。
◆三山凌輝、リ・ジョンヒョク役へのアプローチ
まだ稽古がスタートしていなかった5月末に行われた取材中、現時点で不安に感じているところはあるかと聞くと「歌と台本は昨日いただいて来月からすぐに稽古が始まるんですが、覚える量がかなり多くて」と話した三山。しかしながら「ミュージカル自体も初めてですし、稽古の進め方も韓国チームとは初めてで、歌がどこに入ってセリフが入ってみたいなところも演出家のパク・ジヘさんと一緒に詰めていきますが、どういう感じで紡がれていくのかなというのは不安というより楽しみではあります。もうやるべきことをやるだけ。とりあえずセリフを覚えるために台本を読まないとというところですね」と前向きで頼もしい姿を見せる。さらにアーティストとしての歌い方とミュージカルでの歌い方の違いを尋ねた際にも「『舞台だからミュージカルだから。歌い方を変える』というような考え方でやってしまうとすごく薄い感じになりそうだなと思っていて」と真摯に役と向き合う彼らしい答えが返ってきた。
「そもそも役としての思いを伝えるというのがあって、その人の役だからこそ自然とこういう歌い方になるというか、役へのアプローチの蓄積が結果として出るみたいなのが自然ですし本質なのかなと思っています。さらに自分自身というものを融合して役に当てはめていくので、自分がいつものように歌っている瞬間も役に見える瞬間もあるだろうし、自分が今までやってきたものだけではなく役を通してからだからこそ出る瞬発的な感情の歌声みたいなものが色々融合されて、1つの作品として完成されるかなと思っています。総じて役を通して、それが感情に乗って歌声になるから、ジョンヒョクは特にまっすぐで嘘がない人なので、それを伝えるためにどういう歌い方になるのかなみたいなものを考えていくのが正しいアプローチなのかなと思っているのでそういう形で挑めたらとは思っています」
◆三山凌輝、現場でのコミュニケーション法
他のキャストとはまだ1日ほどしか会っていないと言いつつも「楽しくしないとダメでしょ」と現場でムードメーカーの役割を担う。KAZUTAとは「初めましての時から、あんなにマイナスイオンが出ている人を久々に見たというくらいすごく素敵な方でびっくりしました。僕のことをずっと応援してくださっていたみたいで、それを熱弁してくれたり、共演できて嬉しいという話をしてくれたりして『いやいや僕も嬉しいです!』みたいな。そこから一緒に乾杯して、ずっと仲良くイチャイチャしていました(笑)」とすでに仲を深め、花乃とも「ほわっとしていらっしゃるというか優しそうな方で。シルエットがセリに似ていると思いました。顔の形なのか、背丈なのか、ソン・イェジンさん(ドラマ「愛の不時着」セリ役)に似ている雰囲気はすごくありました。お互いに子どもが生まれたばかりなので、その話で盛り上がって帰りました」と親近感を感じている様子だった。
「いい雰囲気で現場を走らせることができたら、フランクに近い距離で話し合いができますし、それによって作品自体へのメリットも大きい」と笑顔を浮かべる三山が、現場でのコミュニケーションで心がけていることは何か。それは「ありのままでいること」だった。ありのままに自身をさらけ出すことはときに勇気も必要ではないかというインタビュアーの言葉に頷きながらも「でもね、人ってどうせ死ぬんですよ。どうせ死ぬので別にそこでカッコつけてもしょうがないですよね」と言い切る彼の姿は清々しい。
「裏表がないというか、そういうのを作るのが嫌いなんですよ。もちろん人間だから抱えている感情や喜怒哀楽はあります。だけど、自分という人間はベースがこのままなのでどこでどう切り取られても、誰に見られても『凌輝さんってこういう人ですよね』は変わらないと思います。というのも態度を変えたりするのって面倒くさいじゃないですか。逆に計算して取り繕ってもいいことないし、結局メッキが剥がれるので、ただ自分がどういう人間であるかということを人に伝えて誠実に向き合うスタンスがあれば、それは人に伝わる。自分が銃を持っていなかったら相手が銃を持っていたとしても下ろしてくれるみたいな話で、壁を作らなかったら向こうも壁を作らないでいてくれるというか。
緊張や恥ずかしさはあると思いますが、ありのままの自分で弱さも出したほうが楽なんですよ。みんな出したがらないけど、弱さも見せたほうが助けてくれる人が増えるし、助けてくれるというのは愛されていることでもあると僕は思うんです。弱い自分を提示して人に頼ることができるのは、さっきおっしゃっていた勇気みたいなところに戻ってくると思いますし、その方が人としてかっこいいんじゃないかと思っています」
◆三山凌輝のブレない生き方
27歳とは思えない達観した考え方は、中学1年生から飛び込んだ芸能界での経験から生み出される。「社会に足を踏み入れたのが早くて。芸能界なんて裏も表もいっぱいあるし、綺麗な部分もあるけど汚い部分もあるし、刹那的で現実的な瞬間みたいなものを受け取る時期も多かったので、自分の元々の性格といろんなものを見てきた経験値を踏まえて、自分自身がどう将来を紡いでいかなければいけないのかなと考えたときに『人生って死からの逆算なんだな』と気づいたのが中学生くらいだったんです」ーー。そこから十数年、三山のブレない生き方が確立されてきた。
「人ってあまり死ぬことを考えないけど、結局人は死ぬじゃないですか。『生まれちゃった』とも『生まれることができた』とも言える人生をどう生きていくかは自分次第。その中であがいたり、何か行動したりするとなると、危機的状況に直面したり、すごくマイナスになることも多いですけど、その分何か1個はまった時に人が経験できないような幸せを掴むことができたり、そういう幸せに人を連れていくことができたり、僕は今までの二十数年間でかなりそういう経験をしてきたので、それが“絶対的な構造”なんだという自信はあって。株の積立投資とかと一緒で、ぼんってマイナスに後退するときもあるけど、全体を通してみたら少しずつ蓄積されていて前進しかない。結局人生ってそういうもんじゃないかな。だったら最終的な大きい目的を定めて、今の状況と帳尻を合わせながらそこに向かっていくように逆算で考えると、軸がブレない生き方ができると思っています」
★Vol.3では、2月に活動を再開してから俳優・アーティストにとどまらず活動の幅を広げている理由やその凄まじい歩みの原動力、さらに今後挑戦してみたいことについても語ってくれた。(modelpress編集部)
◆三山凌輝(みやま・りょうき)プロフィール
1999年4月26日生まれ、愛知県出身。主な出演作に映画「HiGH&LOW THE WORST X」(2022)、「誰よりもつよく抱きしめて」(2025)、NHK連続テレビ小説「虎に翼」(2024)、TBS金曜ドラマ「イグナイト -法の無法者-」(2025)などの話題作へ出演。またRYOKI MIYAMAとして2026年2月よりソロアーティスト活動も始動し、同年5月にはZeppツアー「RYOKI MIYAMA First Tour “Back from the coffin.”」も開催した。
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