東京の交通の大動脈、環状7号線沿いにある『環七酒場』。東京五輪の翌年に開業し、かれこれ60年この地を見守ってきた。
小さな扉から入ると、細長いカウンターと奥にテーブル席が一つ。大井競馬が開催されている日は、みんながテレビ中継に夢中になっている。なんともいい店である。
「自分は料理の勉強をしたことがないの」と笑う店主の盛り付けた刺し身は確かに見た目はワイルドだが味はいい。常に新鮮な魚を仕入れていることが分かる。
串を頼むと店主が焼き台に立つ。丸くなった店主の背中に、店の歴史を感じる。
濃いめの焼酎割りと、大きなテレビの音。日が落ちると仲良しの常連たちがポツポツと集まり始める。
彼らが椅子に座ると何も言わずにボトルが出てくる。おそらく毎晩、店に足を運ぶのだろう。無口でマイペースに酒を飲む、彼らの人生の中心にこの店がある。
たらふく飲んだら競馬中継に負けないように、少し大きな声で会計を頼む。外に出ると「また来てね」の声。振り返ると常連がみな笑顔でこちらを見ていた。
常連は店を映す鏡であると改めて思った。
東京都大田区上池台1丁目44-1
080ー4176ー7154
営業時間:17時~22時
休み:木曜
撮影・文/キンマサタカ
週刊実話2025年11月20日号より
※情報は取材当時のものです
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