ドジャース・大谷翔平は次回登板でも、イライラの原因となった捕手とバッテリーを組むことになりそうだ。
大谷とダルトン・ラッシングのコミュニケーションミスが露呈したのは、6月25日(日本時間)のツインズ戦。捕手から投手に球種サインを伝える機器ピッチコムの操作ミス、パスボール、さらにストライクとボールの判定について選手が異議申し立てをするABSチャレンジの場面でも、意見が合わなかった。
「試合後、ベンチで頭を抱え込むラッシングの姿が衝撃的でした。デーブ・ロバーツ監督の話では、コミュニケーションミスの原因はラッシングにあったようです」(現地記者)
日本の野球ファンにとっては、衛星中継のカメラが捉えた「大谷のイライラ顔」の方がビックリだっただろうが、翌日以降もラッシングは捕手として試合に出ていた。
「正捕手のウィル・スミスが首を痛め、チームを離れています。実戦練習もできていません。復帰時期のメドが立たないのです」(前出・現地記者)
昨年MLBデビューしたばかりの若いラッシングが試合に出ていることには、そんなチーム事情が影響していたのだ。
しかし、ラッシングは勉強家だった。
「味方のデータを何度も読み返し、対戦チームの情報をまとめ、ノートに配球を書き込んできた。マイナー時代から変わらないルーティンです」(前出・現地記者)
三振してベンチへ帰るとバットをへし折ったり、ヘルメットを叩きつけるなど、感情的になることが多い。それでも先輩たちが温かく見守ってきたのは、様々な陰の努力を知っていたからだろう。
サイ・ヤング賞投手をアシストした「先輩捕手」のように…
「ラッシングが捕手としてライバルというか、目標にしているのはパイレーツのヘンリー・デービスかもしれません。デービスとラッシングはルイビル大学時代の先輩・後輩の関係です。デービスが在籍していた間、後輩のラッシングは捕手をやらせてもらえませんでした」(MLBジャーナリスト)
デービスは2021年MLBドラフトの全体1位でパイレーツに指名された。ラッシングがMLBデビューしたのは昨年。デービスはすでにパイレーツの正捕手に定着しており、投手陣からは絶大な信頼を寄せられていた。
「昨年のサイ・ヤング賞に選ばれたのは、パイレーツのポール・スキーンズです。デービスがいなかったら、スキーンズの受賞はなかったと言われているほどです」(前出・MLBジャーナリスト)
ラッシングは打撃力でメジャー昇格を掴んだが、配球と捕球技術で投手陣から信頼されなければ試合に使ってもらえないことは、デービスを見て分かっている。まずは7月4日(日本時間)に予定される大谷の次回登板で、イライラ顔を解消させてほしい。
(飯山満/スポーツライター)

