食べ放題といえば、お得にたくさん食べられることが魅力のひとつ。それで料金が安ければ言うことナシなわけだが、逆に高級ビュッフェレストランはお得なのか? その疑問を解消するために、私(佐藤)は最近1万3000円の高級ビュッフェ「銀座八芳」の新宿店を訪ねた。
お店には今までに見たことのないような、圧巻の光景が待ち構えていたわけだが、運営元の「株式会社FANG DREAM COMPANY」は、これまでにない新しい業態のお店を、東京・上野アメ横にオープンした。
その新店「海鮮市場八芳」は体験型しゃぶしゃぶのお店だ。八芳らしく高級食材を並べた、「市場型セルフスタイル」で、25メートルの食材カウンターを有する独特な飲食店だった。
・銀座八芳の新業態
銀座八芳といえば、一般的なビュッフェレストランとは一線を画す、ラグジュアリーな食べ放題のお店だ。新宿店ではビュッフェエリアの中央に海産物がうず高く積まれており、四字熟語であらわすと「酒池肉林」を形にしたような場所である。
1万3000円の元が取れるとかどうでもよくて、そこに行くという体験そのものがご馳走ではないかと、私は考えている。
さて、新店舗は2026年6月15日にオープンしたそうだ。いつの間にそんなお店を、しかも飲食店が多く立ち並ぶアメ横に構えていたのか。住所地に行ってみると、めちゃくちゃ目立つところにあった。「アメ横センタービル」の2階だと!? アメ横のド真ん中じゃないか。
外階段でお店のある2階に上がり入ったらすぐにお店。この建物を知る人なら理解できると思うのだが、フロアごとにテナントが入っていた。だが、現在は2階が丸ごとお店になっている。いきなり店内でビックリしちゃったよ。
入店すると席に案内される。ここは全卓にIHのクッキングヒーターがついており、1人1台の鍋を楽しめる。
それで席に着くとまずは鍋スープを選ぶ。スープは全13種類あり、いずれも税込550円となっている。中にはすき焼きスープや昆布としじみの和風スープなどの日本人向けのものもあるし、シンプルに食材の味を楽しみたければお湯(清湯スープ)も用意されている。
いま一度お伝えすると、ここは食べ放題のお店ではない。セルフで食材を選ぶお店で、お皿ごとに価格が決まっており、好きなだけ取ってもいいけど、その分お金がかかりますよっていう仕組みだ。わかりやすくいえば、回転寿司方式である。
緑カップ・黄色角皿・緑色角皿は税込330円、水色角皿・灰色丸皿が税込550円、灰色楕円皿が税込660円、赤色楕円皿が税込990円である。壁に貼り出してあるけど、食材を前にしたら価格を完全に忘れます。それくらい美味しそうな品々が並べられているのでね。
先のスープと共に、基本となる料金の要素がもうひとつある。それはタレバーだ。タレバーの利用には税込330円かかる。つまり、何も食材を選ばない状態で880円かかる。これが基本料金というわけ。
タレの種類も豊富なので、いろいろ味を変えて鍋を楽しむのも良いかも。
では食材の調達に行こう。食材カウンターはアメ横の鮮魚店を彷彿とさせる市場型。約25メートルの長いカウンターにズラ~ッと鍋用の具材が置かれている。
なげ~~~~~ッ!
奥の方からまず野菜類。
中華鍋でお馴染みの練り物や干し豆腐などの具材。
それから唐突に刺身が出現。一応魚介類のくくりでここに置かれているらしい。
それから生の貝類。鍋に入れてもいいし、別途浜焼きもできるそうだ。
そして1番手前には肉類。牛・豚・羊が揃っている。高価格の皿には霜降り牛などもある。
最奥には、食後のフルーツにメロンやスイカ、ドラゴンフルーツなど。
それからケーキも5種類用意されている。鍋のあとはこれでシメだな。
そしてここにもハーゲンダッツ。食べ放題ではないから1個300円となっている。
食べ物だけでなく、ドリンクもしっかり揃っている。ソフトドリンクは冷蔵庫にビッシリ!
アルコール類も日本酒から瓶ビール・シャンパン・カクテル……。
生ビールもハイボールもご覧の通り。さすが八芳、隙がない。どこを切っても充実し切りだ。
・食べ放題ではない悩ましさ
あまりにも品数が多いために選ぶのに苦労した。悩ましいのは、食べ放題じゃないからどれにいくらかかるのかをある程度計算しつつ選ばなければならないことだ。いろいろ迷ったけど、結局計算が面倒でテキトーに取ってしまったけどね。
とりあえず、鍋に食材をぶち込んで煮えるのを待ちましょう。ちなみに私が選んだのは、すき焼きスープ。なんだけど、すき焼きっぽくないかな。まあいいか。
その間に刺身でもつまんで待ちましょうか。正直、鍋がメインの店なのでそこまで刺身に期待をしていなかったが、アメ横にあるだけあって鮮度が高い。オマケにしては上出来だ。
生ガキも小ぶりながらプリップリ! これで食べ放題だったら100点なんだけど、まあ仕組みが違うから仕方ないよね。
そうしている間に鍋が煮立ってきた。野菜が鍋からはみ出してしまっているけど、本来は鍋の中に収まるように入れた方がいいらしい。あとからお店の人に教えて頂きました。あんまり1人で鍋しないもので、すみません……。
ではさっそくラム肉を頂いてみよう。私はなぜかタレバーでポン酢を選んでしまった。鍋といえばポン酢って頭が抜けなくて、ラムをポン酢で食べたら微妙に合わなかったな。私のような中華鍋素人のために、壁にタレのおすすめアレンジが書いてあるので、それを参考にして欲しい。
練り物などの鍋用食材は見慣れないものが多く、小さなキャラメルサイズの物体は、中に餅の入ったお揚げでした。コレ、意外とうまかったな。
海鮮市場というだけあって、魚介類はどれも基本的に美味しい。肉も申し分ない。ただ、個人的には野菜の切り方がワイルドで、ひと口大に切ってないものもあって、食べづらいところはあった。ほうれん草やパクチーは長いままなので結構食いづらい。
それでも普段は食べる機会のない中華系の食材を、直に見て実際に味わう。まさに市場のようで楽しい。
続いて牛バラスライスと霜降り牛肉、それから何かわからない麺を持ってきた。おそらくこれは「土豆粉(トゥードゥーフェン)」と言われる麺で、取るかどうか迷っていたら、カウンターの中のスタッフが「美味しいよ」と教えてくれたので持ってきた。
肉と麺を鍋に投入して再び煮立つのを待つ……。
頃合いを見て肉を取り出し、スープについていた生卵をくぐらす。うん、すき焼きじゃない! でも美味しい!! まあなんでも卵をくぐらすと美味しくなるからね。
そして先ほどの麺も卵をくぐらすと、これがモチモチでなかなか歯ざわりが良い。この食べ方をあえて名付けるなら「中華風カルボナーラ」といったところだろうか。豪勢な鍋を終えるのに打ってつけのシメである。
そして最後はデザートをもってきましたよ。キャラメルチーズケーキとエッグタルト。
冷凍ケーキだと思われるけど、それでもクオリティは高い。下のスポンジ生地にはナッツが隠れていて食感も楽しい。
エッグタルトも小ぶりながら表面サクサクで中はしっとり。八芳ブランドの手掛ける料理は基本的にハイレベルなので、ここでもしっかりと実力を感じ取ることができる。
そんなわけで、あまり値段を気にせずにアレコレ食べた結果、7590円でした! さすが高級しゃぶしゃぶ。でも、銀座八芳の半額と思えば安いかも?
このお店はアレコレと食材の誘惑が多いけど、食べるものを絞って、自分好みに食材のデッキを組めば、かなり出費を抑えられるはず。食べ方を工夫すれば3000円台で満足いく鍋を堪能できるだろう。いずれにしても、あの食材カウンターは圧巻なので、ぜひ1度体験して頂きたい。
