NBAで計12シーズンをプレーしてきたアイザイア・トーマスは、36歳を迎えた今でも現役を続けていて、陽気なキャラクターとバスケットボールへ打ち込む真摯な姿勢は変わらない。
もっとも、NBAのコートに立ったのは2023-24シーズンが最後。昨季はユタ・ジャズ傘下のGリーグチーム、ソルトレイクシティ・スターズで14試合へ出場し、平均29.1点、5.5アシスト、1.1スティールに3ポイント成功率41.0%(平均3.9本成功)を残すも、NBAチームには所属できなかった。
そのトーマスが、現地時間10月9日(日本時間10日、日付は以下同)に公開されたポッドキャスト番組『Got Sole Podcast』へ出演。自信に満ちた表情で、史上最高の選手を意味する“GOAT(Greatest Of All Time)”についてこう話していた。
「もしこの僕が6フィート2インチ(188㎝)だったら、史上最高の選手になっていただろうね。殿堂入りの枠を超えている。6フィート8インチ(203㎝)や6フィート9インチ(206㎝)の連中は、僕が5フィート9インチ(175㎝)でやったことができないんだ。そう考えると、僕は史上最高の選手のひとりなのさ」
これまで最も多くGOATと評されているのは、6フィート6インチ(198㎝)のマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)と、6フィート9インチ(206㎝)のレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)。両者は世代を超え、バスケットボール界で1、2を争う知名度を誇っている。
その一方、175㎝のトーマスはNBA史上で最も低い身長の部類に属する小兵。2011年のドラフト最下位(2巡目全体60位)でサクラメント・キングスから指名されてキャリアをスタートさせ、キャリア3年目の2013-14シーズンには平均20.3点、6.3アシスト、1.3スティールと頭角を現わした。
その後フェニックス・サンズを経てボストン・セルティックスへ移籍してブレイク。2015-16シーズンに平均22.2点、6.2アシスト、1.1スティールを記録してオールスター入り、翌2016-17シーズンにはリーグ3位の平均28.9点に5.9アシスト、0.9スティールを叩き出し、オールスターとオールNBA2ndチームに名を連ねた。
ドライブの多くは利き手の左側を好み、高いアーチのレイアップやフローター、さらにはジャンパー、3ポイントを繰り出して高得点を連発したスコアラーは、2016年12月30日のマイアミ・ヒート戦で52得点を奪取。2017年5月2日に行なわれたプレーオフのカンファレンス・セミファイナル第2戦(対ワシントン・ウィザーズ)では自己最高の53得点と、爆発力も備わっていた。
しかし、2017年のプレーオフを最後にケガに見舞われたこともあって所属先が何度も変わり、全盛期を維持することができなかったことは悔やまれる。
サイズ不足ゆえにディフェンスで狙われてしまう弱点こそあったが、得点力やリーダーシップがあり、人望もあっただけに、もしセルティックス時代の活躍があと数年でも続いていれば、トーマスの評価はさらに高くなっていたのかもしれない。
大ベテランになったとはいえ、36歳のトーマスはアメリカ、しかもNBAでプレーすることにこだわり、ずっとフォーカスしている。この男が今後GOAT論に加わることはさすがに酷ながら、人々の記憶に残る名選手になったと言っていいのではないだろうか。
文●秋山裕之(フリーライター)
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