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本田圭佑の解説を求めて視聴者はBSへ? W杯ブラジル戦でフジとNHK BSが“ほぼ同数”になった異例の夜

本田圭佑の解説を求めて視聴者はBSへ? W杯ブラジル戦でフジとNHK BSが“ほぼ同数”になった異例の夜

2026年サッカーワールドカップの日本対ブラジル戦は、フジテレビ系列の平均視聴人数が約940万人で、NHK BSが約906万人だった。NHKはBSだったにもかかわらず、地上波とほぼ横並びの数字だったのだ。今回のワールドカップは、議論が活発化している「スポーツの公共性」に一石を投じたようにも見える。

本田圭佑の解説は、視聴先を左右したのか

NHKの衛星契約数は2026年4月末時点で約2229万件だ。

厚労省の2024年調査では、日本の総世帯数は約5482万世帯で、テレビの保有割合を約90%とすると約4934万世帯。フジ系列は一部で視聴できない地域もあるが、それを加味してもNHK BSの視聴人数は異例とも言えるほど高い。

背景のひとつとして、本田圭佑氏による解説が影響したとみられる。解説の熱量は高く、選手・監督・ファンそれぞれの目線から的確な言葉で表現する巧みさが視聴者の心をつかんだ。応援と分析が混然一体となる語り口も人気の背景にありそうだ。

本田圭佑氏の解説の強さはチュニジア戦でも発揮された。本田氏を起用した日本テレビ系の平均視聴人数が約2237万、NHK BSが約585万だったのである。

TBSの龍宝正峰社長は7月1日の会見でワールドカップの放送について言及。「テレビはリアルタイムで感動を届けられる。地上波放送の強みだ」との趣旨のコメントをした。確かに、ブラジル戦のフジ系列の世帯平均視聴率は15.9%で、深夜帯にしては好調だった。人々に感動を届けたのも間違いないだろう。

しかし、平均視聴人数はBSとほとんど変わらないという現実も示す結果だったのだ。サッカーのライトファンは、解説も含めた総合的なコンテンツ力を求める傾向が強くなったという現実が見えてくる。

ここで立ち止まって考えるべきなのが、「スポーツの公共性」という考え方だ。

2026年のワールド・ベースボール・クラシックの放映権をNetflixが独占して議論が活発化した。しかし、今回のワールドカップはDAZNが配信し、NHK、日本テレビ、フジテレビなどが放送する形となった。

地上波での放送枠が確保されたことに、多くの人が胸をなでおろしたわけだ。しかし、今回の結果でそれが長く続くとは思えない状況になってきた。

放映権料の高騰を分散する構図が負担増に

公共性が揺らいでいる主要因は放映権料の高騰だ。

2026年のワールドカップでは、日本代表のグループステージ3試合は日本テレビが1試合、NHKが2試合を中継した。グループステージではフジテレビの日本代表戦中継はなかった。また、日本対チュニジア戦は日本テレビ系とNHK BS、ブラジル戦はフジテレビ系とNHK BSが並行して中継していることからも、放映権料の高騰を背景に、負担を分散させているようにも見える。

その結果というべきか、各テレビ局は放送内容の質を高めなければならなくなったわけだ。

つまり、放映権料の高騰によって1社当たりの負担が重くなり、その負担を軽減するために各局が放送を分担する方式が採用されている。その結果、放送局間の競争が激化し、解説者の人選を含めたコンテンツの質を高めなければ視聴者を引きつけられなくなっているのである。

この図式は、「スポーツの公共性」という大義のもと、放送局に過酷な負担を求めているに等しいように見える。

FIFAにとっても、サッカーの発展に向けて視聴機会を広げることは重要なテーマだ。サッカーの発展やエコシステムを形成するうえで、誰でも視聴できる環境づくりというのは重要だ。いっぽう、公共性は必ずしも地上波に限定されるものではないだろう。

日本においては、インターネットの普及率は86%、スマホはいまや誰もが利用する時代だ。テレビの普及率と大差はないのである。

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